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ECコラム

ネットショップに興味はあるけど何から取り組めば良いか分からない方、ネットショップで販路拡大を考えている方向けにECに関するノウハウや最新情報を発信していきます。

今や動画はスマホEC攻略に必須!
「動画活用ワクワクデー」実施レポート

2024/11/14 最終更新日・2024/11/19
※最終更新日時点の記事です
 今や動画はスマホEC攻略に必須!「動画活用ワクワクデー」実施レポート


家庭でも外出先でも、誰もがスマートフォンを片手に動画を楽しむ時代になりました。動画は、情報をよりわかりやすく、強いインパクトで伝えることができる点が大きな魅力です。特にスマートフォンの利用が主流になっているECでは、お客様が手元で動画を通して商品を知り、直感的に魅力を感じて即時に購入するといった行動が期待できます。すでにアジアを中心としたEC市場ではライブコマースやショート動画を使ったアプローチが主流になっていますので、国内でも越境ECでも、動画活用は今知っておくべき重要なトレンドといえるでしょう。
中小機構では10月29日に、動画活用の最新情報やノウハウを詰め込んだオンラインイベント「動画活用ワクワクデー」を実施しました。このコラムではイベント当日の模様をお伝えします。ぜひ、動画を使ってEC事業をさらに成長させる参考にしてみてください。

動画の活用を得意とする越境ECのプロフェッショナルたちの熱いディスカッション!

最初は、中小機構が連携している167社のEC活用支援パートナーのうち、越境ECの最前線で活躍している選りすぐった5社が、自社の取り組みをアピールする3分間のピッチイベントから始まりました。3分間で、各社がどこまで伝えられるのか?タイマーを睨みながら、聞いている方もどきどきする瞬間です。それでは、各社のピッチでの発言から抜粋してお届けします。(図1)

図1 各社のピッチコメント(抜粋)

越境ECのまさに最前線で活躍する5社の熱いピッチの次はディスカッションタイム。参加者のリアルタイムアンケートでは動画活用の現状として、「動画の活用は何とかしないといけないと認識している」という声が多い結果から、明澤健康研究所株式会社Kaku氏は「動画は今やEC戦略で必須。実際に売上を伸ばしている企業もある。ただし、動画活用を外部に任せきりにするのではなく、商品の良さを自社でしっかり把握して、戦略を持って進めることが大切」と話す。株式会社モデルケース 河村氏からは「例えば、乾麺など、日本の商品で使い方が海外で知られていない商品は意外と多い。そんな場合にも、動画なら商品理解を深めることができる」とのお話がありました。
今回登壇した5社は、中小機構のEC活用支援ポータルサイトebizに掲載されています。気になったパートナー事業者があれば、ぜひお問い合わせをしてください。

明澤健康研究所株式会社 / ジェイグラブ株式会社 / 株式会社SeiRogai / 世界へボカン株式会社 / 株式会社モデルケース
※ 👆 登壇企業名をクリック(タップ)すると紹介ページをご覧いただけます


ECを手軽に始める、動画で伝える。LINE公式アカウント活用術


次の登壇は、LINE公式アカウントからそのまま購入ができるサービスAtouch(アタッチ)をリリースしたIRISデータラボ株式会社によるセミナーです。

利用者数が圧倒的に多く、お客様との1対1のコミュニケーションに優れたLINEは、お客様とのエンゲージメント(企業との強い関係性)が重視される現在のECマーケティングに有効な手段です。モール型ECでは得られない顧客情報を自社で得て、購入前にコミュニケーションを取ることができることも、LINEの強みです。ただ、今まではせっかくLINEでコミュニケーションを取っても、商品を購入するには別途他のECサイトに遷移する必要がありました。その弱点を補うのが、LINE公式アカウントから直接購入ができるサービスAtouchです。
マーケティング事業部の中塚氏から、Atouchを活用する利点として「通常のECサイトだと利用者情報の登録の手間がカゴ落ちの原因だが、AtouchならLINEの友だち追加だけなのでカゴ落ち防止になる。商品を見てから2~3タップで決済ができて、配送情報や問い合わせなどもLINEのトーク画面上で完結するので、お客様の利便性が高い。また、最短で1カ月程度で、簡単にECサイトを開設することができる」との説明がありました。スクール事業や高額のB to B向け商材、補聴器のような高齢者向けの商材であっても成功実績があるとのことで、LINEを活用した新しいビジネスチャンスが広がりそうです。
そして、動画活用でもAtouchは強力なツールです。パロニム株式会社との共同開発によるサービスAtouch Tig(アタッチ ティグ)を使えば、簡単にECショップを構築することができ、ショート動画からも動画内の商品をタップすることで直接購入することができます。(図2)

中塚氏からは、「動画は視覚的にアピールすることができ、多くの情報量を効率よく伝えることができるので、タイパ(タイムパフォーマンス・時間対効果)を重視する消費者に適した手法ではないか」と説明がありました。

図2 Atouch Tig

参考:「お客様と直接つながる!LINEをそのままECショップにする方法」


スマホ一つで簡単に。動画を使って商品の魅力をもっと伝える方法


午後は、中小機構の髙木アドバイザーによるワークショップ「動画活用スキルアップ講座」からスタートです。
お客様とのコミュニケーションを深めるために、今やECでも欠かせないツールとしてSNSがあります。今回は、特にInstagramで動画を活用して商品を紹介し、コミュニケーションを深めるノウハウを中心に説明がありました。「Instagram、皆さんは普段活用していますか?」高木アドバイザーからの問い掛けから始まった今回のワークショップ。フィードやストーリーズ、リールといった基礎的なメニューの説明の後に、髙木アドバイザーから「Instagramでは一方的な発信ではなく顧客とのコミュニケーションを取ることが重要。特に覚えてほしいこととして、ストーリーズやリールの動画で使える“GIFスタンプ”にあるアンケートや質問機能を使ってお客様とのコミュニケーションを深めてほしい」との説明がありました。また、動画を通して高まった購入意欲をECサイトへスムーズに繋げるために、GIFスタンプの外部リンク機能も必須とのことです。
その後、触ってみないことには何もわからない!ということで、参加者もInstagramのリールの投稿画面を開きながら、動画編集のワークショップが行われました。髙木アドバイザーから「新しくカッコいい動画をわざわざ撮らなくても、Instagramの機能にある“テンプレート”を使えば、既存の動画が魅力的な動画になります」と説明があり、画面上で簡単に編集作業を行うデモンストレーションが行われました。(図3)

図3 Instagramでの動画編集の模様


越境ECの新しいビジネスチャンス。ライブコマース最新トレンド


ライブコマースが重要な販売チャネルとなっているECマーケットといえば、中国です。次は、Bytedance社によるライブコマースの最新トレンドについてのセミナーです。最初に、黄氏より、中国でのEC市場とSNS動画の利用状況についての説明がありました。「中国はインターネット普及率が77.5%であることに加えて、企業のEC化率が45.3%と、日本と比べてもECの利用が浸透している。更に、一日のインターネットの利用時間のうち、ショート動画の利用が30%を占めている」とのことです。そのショート動画で中国最大のプラットフォームがDouyinです。Douyinは一日あたり6億人のアクティブユーザーを抱えています。ユーザーの興味関心ごとに商品やコンテンツをレコメンドすることで、情報が拡散しやすい仕組みになっています。Douyin ECはこのプラットフォームを活用したEC事業です。黄氏から、「中国でライブコマースが伸びた要因として、動画プラットフォーム内で、エンターテイメントとしてEC動画が視聴されている状況がある。また、ECで収益をあげているたくさんのインフルエンサーが活動していることも要因」との説明がありました。また、ライブコマースの強みとしてインフルエンサーとやりとりができるインタラクティブ性、オフライン店舗でのショッピングに近いリアルタイム性、情報の伝播性などが挙げられます。(図4)

図4 ライブコマースの強み

ライブコマースは直感的に商品の良さを伝えることができますが、単に雰囲気だけではなくそこには商品のカテゴリー、優位性をしっかりと設定して、生産の現場や販売シーン、生活・実用シーンなど効果的な見せ方を設計する必要があります。セミナーではライブコマース中の注文数字やエリアなどの分析がリアルタイムで見ることができる、実際のバックシステムの画面が紹介されました。こういった舞台裏は一般には見ることができないため、参加者から大きな関心が寄せられていました。


ASEAN5億人商圏を狙え!カンボジアで始める越境EC


最後に登壇したのは、カンボジアでEC事業を展開するAEONMALL(CAMBODIA)LOGIPLUS.,LTDです。
なぜカンボジア?なぜイオンモール?そう思われた方も多いのではないでしょうか。経済成長が著しいといわれるASEAN諸国の中で、カンボジアは未だマーケットの規模は小さいものの、急速に発展しており、富裕層も増えてきています。そんなカンボジアでイオンモール(株)は2014年以来、モール事業を3か所で展開しており、登壇した滝澤氏からは「カンボジアでは“Before AEON、After AEON”という言葉があるくらい、イオンモール(株)はカンボジアの文化やライフスタイルに大きな影響を与えています」という説明がありました。(図5)
図5 Before AEON、After AEON

それでは、現在のカンボジアのEC市場はどうなっているのでしょうか。カンボジアのEC市場は813百万ドルで、EC利用率は33%程度と、既にECが大きく成長しているASEAN諸国に比べてまだ黎明期といえます。ただし、注目したいのは、LAZADAやShopeeといった、ASEANの他の国々ではEC市場を席巻している大手プレイヤーが未進出ということ。イオンモールでは、この機会を逃さないように自社でオンラインのプラットフォームを設立しました。ここでも注目されるのは動画の活用です。インフルエンサーによるライブ感あふれる商品紹介や、スタッフによるライブコマースでユーザーの心を掴んでいます。更に、強力な集客力を持つイオンモールをショールームとして活用することで、ECだけではなく、実商品を体験できる場を作っています。
滝澤氏からは、「カンボジアは、5億人商圏といわれるASEANでの共通の嗜好性を知る場になるはず。日本の商品に対する信頼性も高いので、カンボジアで圧倒的な知名度を持つイオンモールと連携すれば、ASEAN商圏でのテストマーケティングとしても使える」との説明がありました。

最後に、今回のイベントの参加者特典としてカンボジアでのテストマーケティング企画の説明がありました。海外展開に興味があるけれど、自社商品がマーケットに受け入れられるのか、改良するならどのような点なのかを知りたい企業は多いのではないのでしょうか。この企画はAEON MALL(CAMBODIA)LOGIPLUS CO.,LTD.と中小機構が共同企画として、インフルエンサーが商品を紹介しその反応をみたり、イオンモールでの商品紹介を行い実際に商品に触れてもらうなど、オンライン、オフライン両方でASEAN商圏での商品の受容性を探ることができるまたとない機会です。
(中小機構連携特別企画の募集期間は終了しました)

参考:【現地レポート】知りたい!カンボジア越境ECの可能性


まとめ
今回のイベントではECでより商品を魅力的に伝え、お客様とのコミュニケーションを深めるツールとして、動画の活用についてお伝えしました。動画の活用は、国内ECはもちろん、ショート動画やライブコマースが主流となっている中国や、ASEAN諸国へアプローチするきっかけにもなるはずです。他社とは違う商品の魅力をもっと伝えたい、事業をもう一歩前進させたいと考えている事業者の方は、この機会にぜひ取り組んでみてください。
次回のチャレンジ企画は、来年の2月に予定しています。ECの最新情報や、事業成長のヒントが詰まったチャレンジ企画に、ぜひご期待ください。

今後のチャレンジ企画やEC支援に関するご案内は中小機構のEC活用支援ポータルサイトebizで行いますが、情報を逃さないためにはメールマガジンへの登録をお奨めします。この機会にぜひご登録ください。また、ECに取り組む際に、課題に即した専門会社の協力を得ることは成功の近道になります。中小機構では国内EC、越境ECにおけるパートナー企業と連携し、EC事業の支援をしています。167社の支援企業に直接お問い合わせができますので、ぜひご活用ください。
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