ECコラム
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旅マエ、旅ナカ、旅アト。
今、EC業界がインバウンド需要に注目しているワケ
2025/01/06 最終更新日・2025/01/16
今年は万博イヤー。過去最大のインバウンド需要が目前に
昨年、都市部や観光地に限らず、日本各地で多くの外国人観光客の姿が見られました。世界中で旅行客の往来が止まったコロナ禍の反動により、日本の文化を楽しむため、多くの外国人観光客が訪れています。2024年の年間訪日外客数は3,686万9,900人で、前年比では47.1%増、過去最高であった2019年を約500万人上回り、年間過去最高を更新しました(図1)。
図1 訪日外客数推移 日本政府観光局調べ
さらに、2025年は大阪・関西万博が予定されており、世界中から日本に注目が集まります。大阪・関西万博は2025年4月13日(日)~10月13日(月)の184日間、大阪夢洲で開催されます。「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、158か国、9国際機関が参加し、期間中2820万人の来場者が予定されています(1月7日現在)。これを機会に、今年はますますインバウンド需要が活発化することが期待されます。
そこで今注目されているのが、旅マエ、旅ナカ、旅アトという訪日外国人観光客との接点です。訪日中の消費にだけ注目するのではなく、その前後の行動を理解することで、ECに大きなチャンスが生まれるのです(図2)。
図2 旅マエ、旅ナカ、旅アトでのインバウンド需要
旅マエに、訪日客争奪戦はすでに始まっている!
皆さんが旅行に行こう、と思ったら何を参考にしますか?一昔前なら旅行雑誌やガイドブックを眺めてプランを練るというのが一般的でしたが、今ではSNSや動画を見て、目的地からの情報発信を参考にする場合が多いのではないでしょうか。この傾向は、海外から日本への観光を予定している方たちも同じで、訪日前のリサーチではインターネットを活用し、興味のある地域や食べ物を調べ、動画を見たりしています(図3)。動画やSNSで知った商品を土産物として狙いを定めたり、事前に予約が必要なお店やサービスがあれば、出国前にアクションを起こしたりしています。この旅マエの需要を捉えるには、海外に向けてSNSを活用して積極的に発信することが競争から一歩抜け出すカギといえます。ECとの連携により、日本へ出発する前に予約を獲得することも可能になります。
図3 「出発前に得た旅行情報源で役に立ったもの(抜粋)」インバウンド消費動向調査 観光庁より
旅ナカでは、リアルとECのシームレスな連携で購入を後押し
訪日中の旅行先・滞在場所は、以前は東京や京都といった一般的なコースが中心でした。しかし、現在では訪日外国人観光客のニーズが多様化しており、北海道から沖縄まで、興味の向くままに行動する傾向が強まっています。訪日中に参考にしているのは、やはりSNSです。また、国により日本の商品に対する関心が異なることにも注意が必要です。例えば、アジアからの観光客は菓子類に関心が高く、欧米からの観光客は衣類に関心が高くなっています(出典:国籍・地域別 費目別購入率 インバウンド消費動向調査 観光庁)。自社の商品は、どの国の方に受け入れられそうなのか、事前に仮説を持つことも必要です。
旅マエ、旅ナカではSNSを活用して関心を高め、リアルな店舗で商品やサービスの体験を提供。更にECを活用することで、海外へ商品を発送し手荷物を増やすことなく顧客の利便性を高めたり、帰国後のリピート購入に繋げたりすることができます。ECサイトの多言語対応や決済の整備をすることで、旅ナカのインバウンド需要をチャンスに変えることができます。また、国内で体験したことを訪日外国人観光客がSNSで発信するよう促すことで、更に旅マエ需要を刺激することにもなります。
旅アトに効く越境EC。訪日後も続く、顧客との関係
インバウンド需要は、帰国して終わり、ではありません。旅アトとして、帰国後にもECで顧客と繋がり続けるチャンスがあります。ある調査では、帰国後に日本商品の購入意向が上がる傾向にあるといわれており、旅アトの購入には次のような可能性があります(図4)。
図4 旅アトの購入例
このような旅アトの需要を逃さないためには、旅マエ、旅ナカ、旅アトの情報収集や購買行動を訪日外国人観光客の目線で予測し、ECを活用することが重要です。旅ナカで出会った訪日外国人観光客に対し、帰国後に利用できる越境ECの案内をするだけでも、顧客との関係を継続する可能性が広がります。
まとめ
インバウンド需要が更に増加することが見込まれる2025年。ECを活用することで、日本に関心を持って訪れた訪日客を継続して顧客化するチャンスが広がっていきます。訪日客の旅マエから旅ナカ、旅アトの行動を、自社の商品とどういう接点がありそうか、ECを使うことでどんな機会が生まれそうなのかを予測を立てて行動することが大切です。
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