ECコラム
ネットショップに興味はあるけど何から取り組めば良いか分からない方、ネットショップで販路拡大を考えている方向けにECに関するノウハウや最新情報を発信していきます。
魅力的な商品ページ作りのポイント
2023/11/22 最終更新日・2024/03/26
ECにおいては「商品ページ」が重要だといわれます。それは何故でしょうか。昨今のEC業界では大手メーカーが参入し、自社によるEC販売に本腰を入れる企業が続出しています。その中で、モール型ECでも、自社型ECでも、商品は価格競争が繰り広げられており、特に自社型ECではモール型EC以上の集客力と、単なる商品購入だけではない体験を提供することでユーザーを自社のファンとして囲い込むことが求められています。価格勝負になれば、お客様の取り合いとなり、収益は下がる一方だからです。更に、ウェブサイトの集客力、つまりユーザーを集めるために莫大な広告費をかけてたくさんのユーザーを集めても、来訪したお客様を購入に結びつけることができなければ売り上げを効率的に改善することはできません。そのため、価格以外で商品の魅力を伝え、お客様の購入の後押しをする「商品ページ」の重要性がますます高まっているのです。
ECサイトにおける商品ページの重要性
一人のお客様を獲得するには、「サイトへの訪問者数(どれだけ来訪してもらえたかの来客数など)」か「コンバージョン率(訪問者数のうち、購入した人数の割合)」を向上させる必要があります。この各重要指標に関与する施策の引き出しがどれだけあるか、ということも重要ですが、特に「商品ページ」は、ユーザーが商品をウェブサイト外で認知し、興味を持ってウェブサイトに来訪し、「接客を受ける場」になります。つまり、商品ページは購入の決め手になる最も重要な場所なので、コンバージョン率に大きく寄与するタッチポイント(顧客との接点)であるといえます。
「商品ページの改善」は、広告などで、高めた集客力を効率的に売り上げ・収益に結びつけるためにも、「お店の中で商品を手に取った」ユーザーに適切な接客を実施し、その場で購入に結びつける重要な施策なのです。
実店舗とECのメリット・デメリットを理解する
商品ページの接客要素を見直す為にも、実際に実店舗で買い物や接客をするときの流れをイメージしてみてください。お客様がお店に来たらおそらく「いらっしゃいませ」という挨拶はもちろん「季節の新作が入荷しました」「タイムセール実施中なのでお得ですよ」といった案内をしてお店に入ってきたお客様を更に店舗の奥に引き込むかと思います。一人のお客様を獲得するには、「サイトへの訪問者数(どれだけ来訪してもらえたかの来客数など)」か「コンバージョン率(訪問者数のうち、購入した人数の割合)」を向上させる必要があります。この各重要指標に関与する施策の引き出しがどれだけあるか、ということも重要ですが、特に「商品ページ」は、ユーザーが商品をウェブサイト外で認知し、興味を持ってウェブサイトに来訪し、「接客を受ける場」になります。つまり、商品ページは購入の決め手になる最も重要な場所なので、コンバージョン率に大きく寄与するタッチポイント(顧客との接点)であるといえます。
「商品ページの改善」は、広告などで、高めた集客力を効率的に売り上げ・収益に結びつけるためにも、「お店の中で商品を手に取った」ユーザーに適切な接客を実施し、その場で購入に結びつける重要な施策なのです。
実店舗とECのメリット・デメリットを理解する
また、お客様が商品を見て迷っていたらどうでしょう。もちろん無視はしないと思います。おそらく、商品を手に取ったお客様にお声かけをし、迷っていたら「何かお困りですか?」「何かご不明点ありますか?」と伺い、アドバイスをするのではないでしょうか。リアルのお店では一般的な接客が、ECでも求められる場所が「商品ページ」なのです。
更に、実店舗で購入することと、ECで購入することではそれぞれメリットとデメリットが存在します。それぞれを、一例として洗い出しました(図1)。
図1 実店舗とECのメリット・デメリット
この図を見てみると実店舗のメリットである「手に取り、素材を感じることができる」や「個人情報を出さずに買える」「試飲や試着ができる」等の項目が、ECでは「手に取れないのでディティールが伝わりにくい」「個人情報流出の不安」などのデメリット要素になっています。また、ECのメリットである「他社比較が容易」や「スキマ時間に家で手軽に買い物ができる」等の項目が、実店舗では「他店舗との比較がすぐにできない」や「外出の労力がいる」などのデメリット要素になっています。つまり、ECにおけるメリットは実店舗におけるデメリットであり、逆もまた然り、という事が分かります。
ECで購入体験をすることにおけるデメリットを認識し商品ページ内でお客様が感じる不安や不満を適切なメッセージで解消することが、EC内での魅力的な接客となります。お店と商品の良さは、商品ページ内の接客要素で決まってしまうと言っても過言ではありません。逆を言えば、商品ページ内でお客様が感じる不安や不満や疑問を解消し、「欲しい」と思わせることができればコンバージョン率が大幅に上がりやすくなる、ということになるのです。
商品・サービスのメリットとベネフィットの違い
これまで、メリットという言葉が出てきましたが、改めて、商品・サービスの「メリット」と類似した言葉「ベネフィット」の違いをおさえておきましょう。「商品・サービスのメリット」は、商品の売り、特徴のことであり、「売る側の視点」です。一方でベネフィットは「メリット」によりもたらされる結果・変化であり「買う側の視点」に立ったものになっています。これが商品・サービスのメリットとベネフィットの違いであり、「商品・サービスのメリットからベネフィットを考える」ことが商品ページ上のライティングを考える際に重要なポイントとなります。では、なぜベネフィットが商品ページを作成する上で重要なのでしょうか?それは「ユーザーの不満や不安を解消させるため」です。悩みや願望があり、変化を求め、その手段として商品やサービスを必要としているのにも関わらず、サイトへの訪問者が購入しないのは、何らかのハードル、つまり「6つの不:不満・不安・不足・不快・不便・不都合」があるからです。理想があるのに、なんらかの不があるときに「わたしたちのお店、わたしたちの商品・サービスであれば、その不を解決することができます!」と言ったとしたら、ユーザーは必ず興味を持ちます。「この商品を購入することで『不』は解消できるだろうか?」の答えになるものが「ベネフィット」なのです。
購入を検討しているユーザーに商品・サービスを「いいな」「欲しいな」と思ってもらうためには相手の感情を動かすことが必要です。相手の感情を動かすためには「商品・サービスが何であるか」だけでなく、それを購入・利用することによってどんな「結果・変化」を得られるのかをイメージできるかが重要です。「すごくいい素材を使っています」「こだわってます」「珍しいです」というような、ただ「商品・サービスのメリットを伝える」だけでは、その商品を手に入れることでユーザーがどのような心理的満足や体験を手に入れることができるのか具体的にイメージできないからです。
実際に考えてみましょう。まず「国産のオーガニック素材を使った化粧品」「当店だけの秘伝のたれが自慢の焼き鳥が破格の値段」など「商品のサービスや売りポイント、特徴」を書き出しましょう。次にその「商品・サービスのメリット」に対して「だから買い手にどんな変化が起こるのか?」を考えてください。この部分がベネフィットになります。「国産のオーガニック素材を使った化粧品」だから「とにかく肌にやさしいケアができるので、みんなに自慢できる、褒められ肌になる」や、「当店だけの秘伝のたれが自慢の焼き鳥」だから「まるでお店で食べているかのような美味しい焼き鳥を手軽にお家でも楽しめるので、晩酌がすすんで最高の週末を過ごすことができる」となります。
商品・サービスは、ユーザーが「得たい結果」や「変化」を得るための、あくまでも「手段」です。「何が得られるのか」「どう変化するのか」ということであり、伝えるべきは商品・サービスのメリットではなく「ベネフィット」、つまり見込み客が得られる「結果・変化」を伝えましょう。「人はベネフィット(結果・変化)が欲しくてその商品・サービス(道具・手段)を購入する」ということを念頭に置いておいてください。
ECで購入体験をすることにおけるデメリットを認識し商品ページ内でお客様が感じる不安や不満を適切なメッセージで解消することが、EC内での魅力的な接客となります。お店と商品の良さは、商品ページ内の接客要素で決まってしまうと言っても過言ではありません。逆を言えば、商品ページ内でお客様が感じる不安や不満や疑問を解消し、「欲しい」と思わせることができればコンバージョン率が大幅に上がりやすくなる、ということになるのです。
商品・サービスのメリットとベネフィットの違い
これまで、メリットという言葉が出てきましたが、改めて、商品・サービスの「メリット」と類似した言葉「ベネフィット」の違いをおさえておきましょう。「商品・サービスのメリット」は、商品の売り、特徴のことであり、「売る側の視点」です。一方でベネフィットは「メリット」によりもたらされる結果・変化であり「買う側の視点」に立ったものになっています。これが商品・サービスのメリットとベネフィットの違いであり、「商品・サービスのメリットからベネフィットを考える」ことが商品ページ上のライティングを考える際に重要なポイントとなります。では、なぜベネフィットが商品ページを作成する上で重要なのでしょうか?それは「ユーザーの不満や不安を解消させるため」です。悩みや願望があり、変化を求め、その手段として商品やサービスを必要としているのにも関わらず、サイトへの訪問者が購入しないのは、何らかのハードル、つまり「6つの不:不満・不安・不足・不快・不便・不都合」があるからです。理想があるのに、なんらかの不があるときに「わたしたちのお店、わたしたちの商品・サービスであれば、その不を解決することができます!」と言ったとしたら、ユーザーは必ず興味を持ちます。「この商品を購入することで『不』は解消できるだろうか?」の答えになるものが「ベネフィット」なのです。
購入を検討しているユーザーに商品・サービスを「いいな」「欲しいな」と思ってもらうためには相手の感情を動かすことが必要です。相手の感情を動かすためには「商品・サービスが何であるか」だけでなく、それを購入・利用することによってどんな「結果・変化」を得られるのかをイメージできるかが重要です。「すごくいい素材を使っています」「こだわってます」「珍しいです」というような、ただ「商品・サービスのメリットを伝える」だけでは、その商品を手に入れることでユーザーがどのような心理的満足や体験を手に入れることができるのか具体的にイメージできないからです。
実際に考えてみましょう。まず「国産のオーガニック素材を使った化粧品」「当店だけの秘伝のたれが自慢の焼き鳥が破格の値段」など「商品のサービスや売りポイント、特徴」を書き出しましょう。次にその「商品・サービスのメリット」に対して「だから買い手にどんな変化が起こるのか?」を考えてください。この部分がベネフィットになります。「国産のオーガニック素材を使った化粧品」だから「とにかく肌にやさしいケアができるので、みんなに自慢できる、褒められ肌になる」や、「当店だけの秘伝のたれが自慢の焼き鳥」だから「まるでお店で食べているかのような美味しい焼き鳥を手軽にお家でも楽しめるので、晩酌がすすんで最高の週末を過ごすことができる」となります。
商品・サービスは、ユーザーが「得たい結果」や「変化」を得るための、あくまでも「手段」です。「何が得られるのか」「どう変化するのか」ということであり、伝えるべきは商品・サービスのメリットではなく「ベネフィット」、つまり見込み客が得られる「結果・変化」を伝えましょう。「人はベネフィット(結果・変化)が欲しくてその商品・サービス(道具・手段)を購入する」ということを念頭に置いておいてください。
ユーザーが商品ページを見て何をイメージするのか考え、伝える
商品ページは、ただ単純に自分たちの商品やサービスの「売りポイント」を書き連ねるだけではいけません。商品・サービスのメリットからベネフィットを考え、ユーザーに「商品を購入することで得られる変化」を具体的にイメージさせてください。商品やサービスをどこかで認知し、そこから興味を持って商品ページに流入してきたユーザーに対して接客をする場として、ユーザーが来店後に「どのように興味を感じ」「どのような疑問や不安を感じたのか」を想定しながら適切な情報量で商品やサービスをアピールすることが、商品ページ改善をする上でも非常に重要なポイントです。商品ページを作成する上でも重要な要素「ベネフィット」を考える為にも、まず「商品・サービスのメリットとベネフィット」の違いを理解し、ユーザーにただ商品の良さ、ウリを伝えるだけではなく「うちの商品を購入することで得られる心理的満足や体験」が何か考えてみてください。
中小機構 中小企業アドバイザー(新市場開拓)
髙木 真樹魚屋の副店長から、年商10億円のEC事業会社の運営経験を経た後、
楽天、Y!ショッピング、Amazon、自社ECを中心とした
コンサル会社のチーフとして活躍。
中小/大手企業支援から地方EC支援事業を実施し
日経XTでの連載執筆の他、ウェブ解析士マスターとして
セミナー開催、テキスト執筆など実績多数。