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ECコラム

ネットショップに興味はあるけど何から取り組めば良いか分からない方、ネットショップで販路拡大を考えている方向けにECに関するノウハウや最新情報を発信していきます。

モール出店とセールス・イベントを活用した効果的な越境EC展開

2023/11/16 最終更新日・2023/11/27
※最終更新日時点の記事です
 越境ECに取り組むと決めたとしても、外貨を受け取れる決済システムを導入し、運送事業者も決めて、外国語で表示しても、それだけで売れていくというのは非常に難しいです。
なぜなら、初めて越境ECを行っても、その会社はまだ海外からの信用や理解が得られていないからです。
 
 
越境ECで効果的な出店の仕方とは
 
誰でもそうだと思いますが、初めて聞く外国企業の商品を何のためらいもなく買えるという人はなかなかいません。私達がそう思うということは、同様に皆さんの商品を見る外国人も同じ感覚でいるはずです。

つまり、まだ聞いたこともなく信用もない状態の会社の商品が何もせずに売れていくということはありえないので、まずは利益を上げることより、損を覚悟で信用を得に行くことを優先すべきでしょう。江戸時代の大阪商人を表した諺に「損して得取れ」という言葉があります。敢えて身を引き、恩を売っておくというような駆け引きの意味合いで使いますが、お金の損得勘定の場面で使う表現でもあります。江戸時代の商人の言葉は、時代や国境を超えても「真理」をついています。

そこで、信用を稼ぐことを目標にすると、越境ECの出店手法も少し変わってきます。自社サイトをどうにかしようと悪戦苦闘することだけではなく、元々人が多く集まる場所に出ていき、自分をアピールしに行くことです。これは本店を創業の地に構えつつ、人のもっと集まる百貨店やショッピングモールに支店としてテナントを出すのと似ています。こういった「自らがターゲットに近づいていく」ことが重要です。

それを可能にするのが、自社サイトとは性格の異なるもう一つの販売チャンネルであるECサイトです。ECモールは1日に何億人もの人が訪れる巨大市場ですから、ここで割引や初回キャンペーンなど、利益が少し目減りはしますが、目を引く企画や表現など、様々な工夫をして消費者にアピールすると、購入者が早い段階で見つかる可能性があります。そうして最初の売り上げがたつと、モールでは「販売実績があるもの=他のユーザーも買い求める可能性が高い」と判断できるというアルゴリズムが働くことにより、すぐ次の購入者がつき・・・という好循環を得ることが出来ます(図1)。これは、スーパーの棚で、特定のメーカーの商品の在庫数だけが少なくなっていると、人気商品なのだと思った人たちが次々と買っていく現象と似ています。 

図1 ECモールでセールを活用した一例
 
一方、商品が高機能・高品質であったり、高価格である場合、買い手はECモール以外のサイトで価格調査したり、売り手のことをできる限り調べ始めたりする傾向があるとアメリカのECコンサルタントのクレイグ・ウィット氏は言います(※出典1)。
これは、モールに掲載されている情報だけでなく、オフィシャルサイト(=自社サイト)が存在しているか、つまり売り手がきちんとした企業として存在しているかを確認したり、モールと自社サイトの商品の価格に差があってもいいのですが、その差が妥当かどうかなどを確認したりといった具合です。

ただ、ここで疑問が浮かびます。自社サイトにまでたどり着いたのなら、自社サイトで買ってもらえばいいのでは?という疑問です。

しかし、そう簡単には行かないのです。国際決済の老舗のペイパルが2018年に調査した結果では、消費者は母国語の通じない相手とのトラブルに発展した場合のことを考えて、まずは、ECモールで購入を検討するというデータがでています。一度モールできちんと取引できる相手だと理解できれば、次回以降は自社サイトで購入してくれる可能性が高まります(※出典2)。

こうして効果的に信用を得に行く出店方法を考えるのであるならば、自社サイトとECモールを併用して運用していくべきでしょう。実際、前述のクレイグ・ウィットも「ブランディング(=信用醸成)したければ、自社サイトとECモールをブレンドせよ」と語っています。
そのアドバイス通り、実際に海外では、EC出店企業の9割近くが2つ以上のオンラインチャンネルを利用しているというデータがあります(※出典3)。


世界のショッピングシーズンを利用しよう
 
さきほど、「初回キャンペーンなど、目を引く企画や目を引く表現など」で工夫すべきだと書きましたが、特に即効性が高いのがキャンペーンです。値段を下げて売っても取引実績を作って信用醸成を図り、次回以降の消費者には定価で買ってもらうという方法です。
では、この効果的なキャンペーンは初回のみでとどめておくべきなのでしょうか。

自社独自のキャンペーンは時期や方法を考えて実行したほうがいいと思いますが、そうした検討をしなくとも、簡単にキャンペーンを打つ方法もあります。それが、世界的なセールス・イベントを利用することです。
そこで以下に世界的に有名で、うまく利用したら売上アップにつながる代表的なセールス・イベントを1月から12月までの1年分をまとめてみます。少し解説が必要なものは説明を付けます。
                                                              
 
図2 代表的なセールス・イベント例

最後に、はっきりと何月と言えませんが、ECでよく商品が売れる時期に、イスラム教のラマダン月があります。米国の調査会社の調べでは、2023年のラマダンの時期は、小売消費支出が33%も急増しており年々オンラインにシフトしているとのことです(※出典4)。 

世界にはこれだけたくさんのショッピングシーズン(セールス・イベント)があります。すべて利用する必要はありませんが、その気になれば一年中なにか理由をつけてキャンペーンを打つことが出来ます。この時期は消費者のほうが消費意欲が旺盛になっていますので、うまく利用すれば、大きな販売の機会になるでしょう(※出典5)。 


効果的な越境ECを展開するために… 

以上、まとめとして、越境ECを始める際に考えるべきことは、信用を醸成することを最優先にし、そのために自社サイトとECモールを組み合わせて露出の機会を増やして安心感を与えましょう。 同時に海外の人にとって馴染みの深いセールス・イベントに合わせてキャンペーンを打ち、ロケットスタートを図るというのが効果的に結果を出す方法の1つだといえるでしょう。
 
 
 
※出典1 Digital Commerce 360 | Blending global marketplaces with a seller’s own ecommerce site
※出典2 Paypal, Paypal Cross-Border Consumer Research 2018
※出典3 Tradeswell The Future of Empowered eCommerce Final
※出典4 Ramadan Boosts Remittances and eCommerce Retail Sales Amid Inflation
※出典5 Online shoppers will open their wallets for the holiday deals they want 

 

中小機構 中小企業アドバイザー(新市場開拓)
 横川 広幸
 
eBay Japan創業時メンバー。
日本の仏具を世界86か国に販売した成功体験と、
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