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ECコラム

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越境ECで有効な商品画像、押さえるべきポイントは?

2022/05/26 最終更新日・2023/10/06
※最終更新日時点の記事です
 ECサイトに掲載する商品画像は、その商品の価値や機能などを消費者に伝える上で重要な役割を果たします。画像1枚で売れ行きが大きく伸びることもあれば、売れなくなるばかりか、クレームや返品が多発することもあります。よい商品画像を準備することは国内越境に関わらずECで成果を上げるためには必ず押さえねばならないことの1つと言えます。今回は特に越境ECを行う上で知っておくべき、海外のECモールでの決まり事や各国の消費者が好む商品画像の傾向など、ポイントをみていきましょう。


まずは商品撮影の基本を確認

 越境ECを行う上での商品画像のポイントを触れる前に、商品をよりよく魅せるための撮影方法の基本についてまずみていきます。商品写真を撮影するために最低限必要なものは撮影機材、背景紙、撮影用ライトの3つです。

 1つ目の撮影機材ですが、よい商品画像を撮影するためには高価なカメラが必要だと考える方も多いと思います。確かにそうした機材を使用するに越したことはありませんが、スマートフォンなどでも十分にきれいな写真を撮影できます。

 2つ目の背景紙は、撮影用の白背景紙や大きめの白い画用紙などがよいでしょう。これは、海外のECモールのほとんどが商品画像の背景色を白と指定または推奨しているためです。この際、撮影する商品を中央に配置して上下左右十分に余白ができるよう、余裕のあるサイズのものを使用してください。

 3つ目の撮影用ライトは、室内の蛍光灯やデスクライトなどではほとんどの場合、光量不足ですので別途用意した方がよいでしょう。実際の撮影では次の図のように背景紙を壁面から床面に掛かるように配置し、その上に商品を置きます。撮影用ライトは商品の真上あたりから当てるとよいでしょう。自然な影となり、見栄えがよくなります。また、撮影時には画像の明るさとピントをきちんと合わせるようにしましょう。

商品写真の基本的な撮影方法

写真提供:グラムス株式会社

海外ECモールの商品画像の決まり事は?

 それでは越境ECを行う際に有効な商品画像についてみていきます。ここでまず確認すべきことは現地のECモールの規定です。なぜならば、現地のECモールに出店して越境ECを行う事業者は商品画像にこだわる云々の前にその規定に反していれば、掲載自体ができない、または優遇措置を受けられなくなるなどのペナルティが課されることがあるためです。各国で展開するECモールの商品画像の規定は以下の表の通りです。


 上の表のように各ECモールによって商品画像について様々な規定があることが分かります。もちろん、細かな違いはありますが、大半のECモールで推奨している点は商品画像の背景色を白と指定または推奨していることです。白背景の傾向は今後、さらに広がっていくことが予想されます。越境ECを行う日本の事業者は各ECモールの規定には注意しましょう。


各国の消費者が好む商品写真の傾向とは?

 越境ECを展開していく上で、当該国・地域の消費者の好みを考慮に入れた商品画像を掲載したほうが目にもとどまりやすくなるため、ここからは主な国・地域の各ECモールで掲載されている商品画像の傾向や、現地の消費者に好まれる商品画像とそれに合わせた適切な商品画像について考えてみます。

【欧米の場合】
 欧米では特に他の地域に比べ、商品のデザイン性などクオリティに対する優先度が高い傾向があります。それゆえに、より商品自体をきちんと確認できる商品のみを写した白背景のシンプルな商品画像が各ECモールでも求められます。

【中国の場合】
 中国では商品のカテゴリーによって、商品画像の傾向が異なります。携帯電話、ヘッドホンなどの電子製品カテゴリーでは白背景の画像がすでに多くなってきていますが、数年前の日本のECモールで散見されていたように商品画像は白背景でありつつも、スタンプや文字を挿入し、アイキャッチを狙っているものが現状ではまだ大半となっています。同じくファッション商材などにおいても、現状ではまだメイン画像にモデルを用いているものが多い傾向にあります。しばらくは商品ジャンルによっては現地の競合の動きを見ながら工夫が必要になるかもしれません。

【東南アジアの場合】
 東南アジアでは各ECモールでの状況を確認する限り、画像内に装飾や文字の多い商品画像が目立つ傾向があります。特に現地出品者や東南アジア圏の出品者は雑多で統一感のない画像となっており、欧米からの出品と見られる画像はシンプルな白背景が多く、混在している印象です。ただ、全体の傾向としては前述通り、白背景の商品画像が増えてきています。現地の売れ筋ランキング上位の商品画像はメイン画像同様、詳細画像についても単色背景で統一感のある場合が多いようです。アパレルなどのファッション商材は高ランキングほどモデル画像を用いている傾向がありますが、これらも単色背景が増加しています。

 また、Shopeeによると現地消費者から目立つようにするためには商品画像はメインの写真1枚だけではなく、複数の商品画像や動画を掲載すると売り上げが上がりやすいといいます。商品詳細ページに掲載されるサブの写真は「購入者に商品の良さや使用感をイメージできるような写真をなるべく多く追加することを推奨しています」としています。


陥りがちな商品画像にまつわる失敗、注意点

 次に越境ECを行う日本の事業者が陥りがちな商品画像にまつわる失敗、注意すべき事柄についてみていきます。

【欧米の場合】
 商品のデザインや商品画像のクオリティに対する消費者の目線は、日本を含むアジア地域よりも非常に厳しいということを意識しなければいけません。特にモデル撮影の場合、肌の色再現などについても考慮する必要があります。欧米の消費者は肌の色の表現に敏感な場合があるため、あまりに加工し過ぎることも避ける必要があります。

 統一感も非常に重要です。商品が一覧で表示されるカテゴリーページなどにおいて、メインの1画像のみクオリティが高くても、デザイン的に意図された場合を除き、その他の画像の被写体とのサイズにばらつきがあったり、商品の配置やレイアウトに統一性がなかったりすると雑多な表現として、離脱率が上がってしまいます。特に同カテゴリーの商品は同様の配置、レイアウトで撮影することが重要です。その際、他の出品者との差別化目的で個性的なレイアウトを好む出店者は多いようですが、バナーやキャンペーンなどの広告用画像と異なり、商品画像において重要なことはいかに商品の情報を正確に伝えるかがポイントです。目的に忠実かつ、割り切ってシンプルに、正面から商品の形状や仕様をわかりやすい画像とすることが重要となります。

【中国の場合】
 白背景の画像をECモールでは推奨されています。ただし、白背景の画像についての規制は現状ではまだ甘く、そして何より多くの出品者が懐疑的であるため、装飾画像がメインとなっています。とはいえ、中国ではルール化された際の違反に対する処罰が厳しく、どこかの時点で一度に白背景のシンプルな商品画像が主流になると思われます。その際、出店者はその規定に反する商品画像を一気に修正せざるを得なくなります。特に日本の事業者を含む監視が厳しくなる中国企業以外の出店者は、現状、主流の装飾画像ではなく、今から白背景の画像を使用しておいた方がリスクを軽減できるでしょう。

【東南アジアの場合】
 商品の詳細なスペックが伝わりやすいように、なるべく多くの商品画像を掲載することを心掛ける必要があるでしょう。売り上げを伸ばすためという側面もありますが、無用な返品を避けるためという側面もあります。日本の場合、画像以外に採寸値や素材などのテキスト情報を確認してから商品を購入する消費者が多いと思いますが、東南アジアの場合、情報や商品ページ全体をあまり注視せず、画像情報のみで購入するケースも少なくないようです。そのためか、ファッション商材の場合は特にサイズの問題で返品する場合が日本よりも多いといいます。メイン画像とは別に、スペックなど様々な情報を記載した画像をできるだけ多く掲載するなどして情報を網羅しておくことである程度、そうしたリスクを抑えることができるようです。


ECモールの規定や各国の消費者の好みを考えた商品写真を

 「商品画像は白背景」といった海外のECモールでの商品画像にまつわる決まり事や「可能な限り商品の情報を網羅した画像」といった各国の消費者が好む傾向など、越境ECを行う上での商品画像についてのポイントをみてきました。みなさんも展開していく国・地域の情報を確認しつつ、越境ECにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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