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ECコラム

ネットショップに興味はあるけど何から取り組めば良いか分からない方、ネットショップで販路拡大を考えている方向けにECに関するノウハウや最新情報を発信していきます。

190カ国、年間取扱高9.3兆円を誇るeBayの魅力に迫る

2021/10/13 最終更新日・2023/02/13
※最終更新日時点の記事です
欧米やオセアニアなどで高いシェア

 日本から参加できる越境ECのプラットフォームはいくつかありますが、アマゾンと並ぶアメリカ発の巨大マーケットプレイスとして知られているのが「eBay」(イーベイ)です。eBayは世界190カ国、年間1億5900万人以上が利用しており、2020年の取扱高は約9兆3000億円となっています。常時15億商品が世界中から出品され、取り引きされており、コロナ禍となった2020年以降もEC化の流れを受けて、その規模を年々拡大させています。eBayの場合は欧米やオセアニアなどの地域に対して大きなシェアを持っており、特に日本からの販売では中古品が全体の6割程度を占めるなど、主に中古ブランド品の販売に強みがあると言われています。

小資本の企業でも参入しやすい無料プランやサポート体制
 
 出品者は、まず日本語サポートサービス「eBay販売サポート」を利用するのが一般的で、日本では日本法人のイーベイ・ジャパン株式会社が支援の窓口となります。アカウント登録により、各種設定案内をはじめ、商品販売枠の拡張、トラブル時の日本語対応などのサポートサービスを受けることができます。eBayアカウントがあれば誰でも無料で利用できる「セラーポータル」では、日本語での設定マニュアルや公認コンサルタントによる情報発信も行っています。

 そして、販売に当たってはオークション形式や固定料金形式があり、各国向けごとに契約するのではなく、1つの契約で190カ国すべての買い手(バイヤー)に向けて販売できる仕組みで、初期費用は一切かかりません。出品から取り引きに関連する手数料としては大きく3種類あり、出品すると費用が発生する「出品手数料」(無料出品枠あり)、出品商品が購入された時にかかる「落札手数料」、越境EC販売者に適用される「海外手数料」(総売上額によって割り引きあり)があります。そのほかに、無料出品枠の拡大や各種費用の割り引きが適用される「ストア手数料」もあります。

 出品者の販売状況に合わせて様々な料金プランがありますが、2021年6月に導入され、今後のメイン料金体系となる「eBayペイメントサービス(マネージド・ペイメンツ)」適用の出品者の手数料を例に見ますと、月額ストア費用が無料のプランでは250品まで無料出品でき、これに落札手数料の12.35%~15%、海外手数料の0.4%~1.35%が必要となります。これが、ベーシックストアプランになりますと、月額21.95ドル~の費用で、1000品~9999品まで無料出品でき、これに落札手数料の11.50%~14.55%と、海外手数料がかかります(表参照)。



 出品自体は0円から開始できるという無料プランがあるため、越境EC未経験の中小企業などの場合、まずはトライアルの形でこの無料プランから活用し、売れ筋商品や自分たちの狙うべきターゲット層、eBay内での販促手段など、売り場の特性を理解していきながら、徐々にステージを上げていくのも一つの方法として考えられるでしょう。

 また、これに関連してeBay内でのプロモーション手段として広告メニューもいくつか提供しています。具体的にはクーポン機能やサイト内広告などがあり、特に設定金額を調整できるサイト内広告は少額でも始められるため人気の広告メニューとなっています。しかしながら、eBayの場合、他のプラットフォームとは違って、出品者からの広告料をメインの収入源としているわけではありません。そのため、出品者は取り引き数や顧客からの評価数、お気に入りの登録数などを地道に貯めていくことで検索でも優位になりますし、来店時のコンバージョン率も上がっていくようなビジネスモデルとなっています。そういった意味では、資金力のある大手ばかりにチャンスがあるということではなく、中小企業や新規参入者でもセオリーを守れば十分に成功することが可能な売り場と言えそうです。

 そのほか、商品配送に関しては、各自で国際郵便(EMS)や国際宅配便を使って海外への発送を行いますが、業者の選び方やそれぞれの配送料金・日数、海外配送ができない禁制品などについてもサポートページで詳しく解説しています。また、アカウント開設に当たっては、EC決済プラットフォーム「Payoneer(ペイオニア)」の口座開設が必要となります。


直近ではコレクターグッズが成長商材に

 なお、直近のeBayでの日本からの販売状況を見てみますと、2021年第2四半期(4月~6月)は、前年に引き続きコロナ禍に伴う巣ごもり需要が継続。女性向けのブランド品、カメラ、時計、アニメ&キャラクターグッズなど人気カテゴリーの取り引きが堅調となりました。依然として日本からは、その品質や信頼性の高さから中古商材が高値で取り引きされる傾向にあるようです。

 カテゴリーランキングでは、「レディースアパレル&バッグ、ブランド小物」が3期連続の首位となり、次いで、「アニメアート&キャラクターグッズ」、「トレーディングカード」、4位が「時計、パーツ&アクセサリー」、5位が「カメラレンズ、フィルター」という順になりました。特に「時計」に関しては、新たな決済管理システムを導入したことで、100万円以上の商品の取り引きが可能となり、海外でも人気の高い日本の高級中古時計などが多く出品されるようになりました。これを受けて平均単価が前期に対して40%成長しており、今後も成長性が高いカテゴリーとして注目されています。


海外から日本商品を購入できる貴重な売り場

 コロナ禍で訪日することが難しくなった今、海外の消費者にとってeBayは日本のコレクターグッズや良質な中古ブランド品を購入できる貴重な売り場となっています。実際に、eBay内の越境EC部門において、伸び率では日本が連続して1位を保持しており、日本商品へのニーズが非常に高まっていることが伺えます。国内市場での伸び悩みを感じる企業は、新たなビジネスチャンスをつかむための売り場として検討してみることもいいのではないでしょうか。

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