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ECコラム

ネットショップに興味はあるけど何から取り組めば良いか分からない方、ネットショップで販路拡大を考えている方向けにECに関するノウハウや最新情報を発信していきます。

ネットショップのデータ分析と新規集客手法

2023/07/13 最終更新日・2024/03/26
※最終更新日時点の記事です
  ネットショップを立ち上げたが集客ができていない、広告を出したけれどどのように評価すればよいかわからない、このようなお悩みは多いかと思います。各施策の良し悪しを判断できるようデータ分析の基礎を学んでいただき、どのような集客が存在しどこから着手すべきなのかを判断できる軸を持っていただければ幸いです。

EC売上公式
  ECの売上の本質は以下の図1の通りであり、業界や商品特性、企業規模によって具体的な施策が異なるものの、共通する本質は極めてシンプルな構造で、3つの要素の掛け算で売上は決まります。
セッション数=サイトの訪問者数であり、例えば、月に同じ人が2回訪れればカウントは「2」となります。ちなみに、これをユニークな数としてカウントする場合はユニークユーザーという単位を使い、月に同じ人が2回訪れれば月間のユニークユーザー数カウントは「1」となります。
  この訪問者数(分母)のうち何人が購入(分子)したのかというのを割り算したものが、CVR(コンバージョンレート)となります。訪問者数にCVRを掛け何人購入したのかを割り出し、客単価をさらに掛けたものが売上となります。
                          

                                                                            (図1) 売上の公式
                       
                                   
   とあるECサイトの売上が、昨年3,000万/⽉→今年5,850万/⽉まで伸びていたとします。これを紐解いていくと、SEO(後述)施策によりセッション数が25万/月→30万/月に改善し、商品数UPによりCVR2%→3%に上昇、さらに併売が増えて客単価が6,000円→6,500円 にUPしていた、というようにこの公式にそって因数分解ができるようになるわけです。

■データ分析の考え方
  さて、図2と図3のデータを見て気が付くことはありますでしょうか?なんの前提情報もなく図2-Aを見た場合は特にこれといって発見はないかもしれません。一方、図2-Bはサイト訪問者のうち、スタッフブログより売上ランキングのページを見る人が2倍多い、スタッフブログを見た人より売上ランキングを見た人の方が、CVRは10倍高い、などのことが言えると思います。

                                                                      (図2-A)とあるECサイトのデータ  
                   
 
                                                                     (図2-B)とあるECサイトのデータ
                     

  このように、データ分析は「比較対象があって初めて評価ができる」と言えます。単独の数字だけでは、良し悪しを判断できないので、比較したり、推移でみたりすることによって分析が成り立つのです。また、あらゆる数字を眺めているだけではあっという間に時間は過ぎ去ってしまうので、仮説ありきで、細分化しながら数字を見るということも重要です。例えば、「同業他社と比べてページの要素が多く直帰率が高いのではないか?」といった仮説を持って数字をみていく、大→小、粗→細、長期→短期とセグメントしながら、原因を特定していくのが売上UPに繋がるデータ分析のコツです。これらをまとめると図3のような手順が理想的です
 
                                                                      (図3)データ分析のフロー
                 

  
■データ分析に関する計算問題
  EC売上公式の理解度を深めるために、下記の設問にチャレンジしてみてください。
 
設問
(設問1)
仮に、CPC30円で30,000円広告投資をした場合、何クリック(≒訪問者数)購入できるでしょうか?
※用語解説
CPC=1クリックあたりの費用
 
(設問2)
この訪問者数に対して、CVR1%で客単価1万円の場合の売上は?
※用語解説
CVR=購入者/訪問者数
 
(設問3)
広告経由訪問者の年間平均リピート回数が4回、商品粗利3割の場合、ROI(費用対効果)は何パーセントになるでしょうか?
※用語解説
ROI=費用対効果
    →回答はこちらをクリック


 
■新規集客手法6選
  データ分析、ECの売上公式を理解いただいた後は、新規集客の手法について知識を深めていただけると幸いです。表1のとおり、SEO、キーワード広告、アドネットワーク、アフィリエイト、SNS広告、モール内広告と全6つをピックアップしました。
 
                                                                                表1 6つの新規集客手法
                     


■最適な集客手法と、正しいデータ分析を
  まずは、リスティング広告から始め、徐々にSNS広告、アドネットワーク広告、アフィリエイト広告を試しながら拡大するショップは多いですが、商材・店舗によってもこの優先順位は変わります。類似ショップはどのように広告を出しているのかという情報は簡単に拾えますので、是非、情報収集をしながら少額でも集客投資をして、しっかり冒頭でお伝えしたような正しいデータ分析をしながら費用対効果の合う集客入口を増やしていってください。この積み重ねが数か月、数年後のECショップの安定的な収益増加要因となります。



          
 
中小機構 中小企業アドバイザー(新市場開拓)
清水 正樹

EC運営会社取締役。平行して婦人服販売・ECシステム提供・ECコンサルティングを
行う企業の役員も兼任、EC全般の幅広い知識/経験を保持する。
某ECストアの立て直しでは、月間売上2,000万円→1億円に、
月間赤字400万円→1,000万円の黒字へ成長させた。

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