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ECコラム

ネットショップに興味はあるけど何から取り組めば良いか分からない方、ネットショップで販路拡大を考えている方向けにECに関するノウハウや最新情報を発信していきます。

ECに適した決済サービスとは?

2022/01/05 最終更新日・2022/01/05
※最終更新日時点の記事です
クレジットカード以外の選択肢も

 ECにおける決済は、クレジットカードが圧倒的に多くなっています。クレジットカードはキャッシュレス決済の代表的なものであり、多くの人が保有しています。

 一方でセキュリティに対する不安から、ECサイトでカード番号などの情報を入力することを躊躇して、クレジットカード決済を選択しないという人も少なくありません。また、若年層を中心にクレジットカードを持っていないというケースもあります。そのため、ECサイトでの決済方法は選択肢を増やしておくことが幅広い顧客層の購入を促すためにも必要です。

 クレジットカード以外でのECで利用される決済は、コード決済やID決済といったキャッシュレス決済、後払い決済などがあります。そのうち後払い決済はEC市場の拡大とともに利用者を増やしており、注目すべき決済サービスと言えそうです。矢野経済研究所の調査によると、後払い決済サービス市場の取扱高は年を追うごとに伸びています。2020年度は8,820億円(見込)が、2021年度の予測では1兆770億円と1兆円を突破し、2024年度には2020年度の倍増となる1兆8,800億円まで成長すると見られています。
「後払い決済市場規模の推移」、矢野経済研究所のEC決済サービス市場に関する調査(2021年4月27日発表)から
 

後払いは海外でも普及

 後払い決済は“BNPL”(Buy Now Pay Later)と呼称され欧米を中心とした海外でも広く普及しています。海外においては、クレジットカードによる分割払いでは利息の支払いが発生するのに対し、後払い決済による分割払いでは利息なしのため(一般的に4分割払いまで)、利用者を増やしているようです。

 海外に対して、日本の事情は多少異なります。前述のようなセキュリティの不安、クレジットカードを持たない利用者などに向けて、クレジットカード以外の決済手段の選択肢を用意しておかないと、商品をECサイトのカートに入れながらも、購入意思決定の最後の段階において、希望する決済手段がないために購入に至らない“カゴ落ち”という事態を引き起こす可能性があります。このカゴ落ちを防ぎ、購入を促すことができるという側面から、後払い決済を導入するEC事業者は多いと見られます。特に初めて利用するECサイトでの購入では、クレジットカード情報を入力することを躊躇するようなケースも多く、ハードルの低い後払い決済が利用されるようです。海外で主流の後払い決済による分割払いですが、国内では1回払いの後払いが一般的です。ただし、分割払いのサービスも登場しています。



後払い決済で顧客利便性向上と代金未回収リスクを回避

 
後払い決済では、サービス提供事業者が行う与信を通過した購入者が利用できる仕組みになっています。与信未通過は過去に未払いがあったり、利用可能な上限額に達していたりといったケースで発生します。上限額は一般的に税別5万円程度です。また、換金性の高い商品(家電など)の支払いでは利用できないようにしている事業者も少なくありません。

 利用者側は、商品同梱で届く請求書、あるいは後日郵送されてくる請求書に付いている払込用紙でコンビニなどに赴いて現金などで支払うことができます。

 後払い決済サービスを提供する事業者は、同サービスの利点として利用者側の利便性、導入するEC事業者のカゴ落ちの防止といったことのほか、EC事業者の代金回収業務の削減、未回収リスクの回避といったメリットもあると言われています。手数料などが必要になるものの、後払い決済サービス提供事業者が未回収リスクを保証し、仮に利用者が支払いを怠ったとしても、EC事業者側に負担が発生しない制度設計にしている事業者が大半のようです。そのため代金回収業務をアウトソーシングでき、その負担を減らし、販売業務に専念できるという利点もあります。

 後払い決済は市場が伸びるとともに、サービスを提供する事業者も増加しています。それぞれのサービスにはそれぞれに特徴や強みがあります。導入する場合は、自社に適したサービスを選びましょう。
 
国内の主な後払い決済サービス
サービス名 事業者名
 NP後払い  ネットプロテクションズ
 後払いドットコム  キャッチボール
 GMO後払い  GMOペイメントサービス
 Paidy(ペイディ)  Paidy
 クロネコ代金後払い  ヤマト運輸
 e─コレクト  SGシステム
 Atodene(アトディーネ)  ジャックス・ペイメント・ソリューションズ
 atone(アトネ)  ネットプロテクションズ
 VANDLE CARD(バンドルカード)  カンム
 スコア後払い  SCORE
 後払いワイド  ポケットカード
 メルベイスマート払い  メルペイ
 こんど払い  GMOペイメントゲートウェイ
 DSK後払い  DSテクノロジーズ
 サブスク後払い  テモナ
 Smartpay(スマートペイ)  Smartpay


 顧客層や手数料などを勘案した決済手段の選択を

 ECサイトでは、多様な決済手段を用意し、利用者の支払いニーズに応じています。コンビニやATM、ネットバンキングといった前払い決済をはじめ、物流事業者による商品配達時に支払う代金引換決済、各種プラットフォームや携帯キャリアが提供するID決済やコード決済が見受けられます。

 前払いに関しては、事前振込をしないと注文受付がされないことから利用されるケースはあまりないように見受けられます。支払いを済ませながらも商品が届かないのでは、と不安視する消費者もいるようです。代金引換決済は、EC事業者に代わって代金回収を物流事業者が代行してくれるという点で広く普及していましたが、コロナ禍における非対面・非接触の生活様式が浸透していることや、配達員が荷物を玄関前に置いていく「置き配」が普及しつつある中で、最近は後払い決済に取って代わられ、利用は減少傾向にあるようです。

 コード決済やID決済などはコロナ禍にあって、非接触の決済手段として、実店舗などでもこの1年近くで広く普及しています。ECサイトでも利用が広がりつつあり、今後は有力な決済手段となるかもしれません。

 ECモールに出店、あるいはECカートを利用してEC事業を行っている事業者はECモール側やECカート側で採用している決済手段の中から選択して、様々な決済サービスを利用することができます。一方で、自社サイトでECを行う事業者は、決済手段を自ら選択して用意する必要があります。

 いずれにしても決済サービスは購入額に対するマージンなどの手数料が発生し、その利率は個々の決済サービス事業者により異なります。また、利用者側が利用しやすいとみなしている決済手段は、年代などにより異なるため、自社の顧客層やターゲット層と照らし合わせて選択する必要があるでしょう。様々な決済手段が目まぐるしく登場している現在、コンバージョン率にも大きく影響を与え得る決済サービスについてどのようなものが消費者、市場で受け入れられているか、事業者は常に意識しておくことが求められそうです。

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