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ECコラム

ネットショップに興味はあるけど何から取り組めば良いか分からない方、ネットショップで販路拡大を考えている方向けにECに関するノウハウや最新情報を発信していきます。

顧客満足度が成長の鍵

2021/08/04 最終更新日・2021/08/04
※最終更新日時点の記事です
自社の顧客分析が大事に

 サイト訪問者の満足度を高めてリピート化やロイヤルカスタマー(企業やブランド、サービスに対して愛着や信頼感が高い顧客)化を図ることは、事業の安定成長には欠かせません。昨今は、BASE(ベイス)やShopify(ショッピファイ)など低コストでネットショップを簡単に開設、運営できるサービスが増えたこともあってEC実施企業が増えて競争が激化している上に、コロナ禍を機にEC市場に新規参入する事業者も目立っています。そのため、ウェブ広告費用も上昇傾向にあって、新規顧客の獲得単価が上昇しているだけに、一度でも買い物をしてくれたユーザーを定着化させることの重要性はこれまで以上に高まっています。

 通販業界の専門紙「週刊 通販新聞」が通販実施企業を対象に年2回実施しているアンケート調査によると、「事業を展開する上での課題」を15項目から選択してもらうと、例年、トップは「新規顧客の開拓」、2位が「既存顧客の継続化」という回答が続いていて、2021年1月に実施した調査でも「新規顧客の開拓」が68ポイント(通販新聞が集計してポイント化したもの)、「既存顧客の継続化」が50ポイントとなり、38ポイントの「商品の開発・育成」など3位以下の項目に大差をつけています。(図表参照)とくに前回調査では新規顧客の開拓に力を注ぐとともに、コロナ禍を追い風に獲得した新規顧客をリピーターに育成することを課題とする企業が多かったことが見受けられました。

 国内を中心に事業を展開するEC事業者にとっては、日本は人口減少時代に突入していることもあり、一人ひとりの顧客と中長期的な関係強化を図ってLTV(顧客生涯価値:ひとりの顧客から生涯にわたって得られる利益)を高めることを目的としたCRM(顧客関係管理:顧客満足度と顧客ロイヤルティの向上を通して売り上げの拡大と収益性の向上を目指す戦略・手法)の考え方が重視されています。そのためには自社の顧客を分析し、よく知ることが不可欠です。


ウェブ接客で最適アクション

 顧客のことをよく知り、中長期的な関係性を構築しようというマーケティング手法の流れに乗って誕生したのが、すでに市民権を得ているウェブ接客ツールです。日本では、ネット関連ベンチャーの株式会社プレイドが2015年3月に正式にサービスを開始した「KARTE(カルテ)」を中心にEC事業者の間にも急速に浸透しました。「カルテ」は、サイトやアプリの来訪者の特徴や行動をリアルタイムで解析し、個々のユーザーに合わせたメッセージ配信などができるツールです。ウェブ接客という言葉から連想できるように、リアル店舗で行われているような接客をウェブ上で行うことを可能にしたものです。

 「カルテ」以外にも、「flipdesk(フリップデスク)」や「Sprocket(スプロケット)」「Zendesk(ゼンデスク)」「SELFLINK(セルフリンク)」などさまざまなウェブ接客ツールがサービスを展開していて、多くの場合、サイト訪問者の顧客属性や、訪問者がログインしているデバイス、何回目の訪問か、平均サイト滞在時間、サイト内で検索しているワードなどの行動を把握し、ポップアップや吹き出し画面でおすすめの商品やサービスを紹介したり、チャットツールを使って1to1のメッセージを配信するなどのコミュニケーションを図ることができます。


成果を得やすい定番アクション

 どういう行動をしているユーザーにどんなメッセージを発信するかは”シナリオ”と呼ばれ、すでにさまざまなEC事業者の活用事例から成果を得やすい定番のシナリオがいくつもあります。例えば、カートに商品を入れたままサイトを離れようとしているユーザーに「お買い物忘れはありませんか?」とポップアップ画面で注意を促したり、サイトを離れてしまったユーザーにはメールなどで同様のメッセージを送ったり、ユーザーがお気に入り登録した商品の価格が下がったり、在庫数が少なくなった際にもプッシュ通知やメール、LINEなどを活用してメッセージを送ったりします。

 また、一定のポイントを保有するユーザーに対しては、サイト訪問時に「ポイントがたまっています」とポップアップ画面を表示して買い物を促したり、「保有ポイントで買えるおすすめ商品はこちら」といった具合に、より具体的な提案を行うケースもあります。


クーポン配布は利益面も大事に

 デジタルマーケティングなどを手がけるJAMU株式会社によると、売り上げの拡大だけでなくEC事業の利益面を考慮すると、ウェブ接客を実施する際は顧客行動に基づいた分類がより重要になる、としています。例えば、メルマガやサイト訪問者へのポップアップ表示で割引クーポンを配布する場合、購入意欲の高いユーザーと興味を示していないユーザーにはクーポンを配布しないことが大事だと言います。というのも、購入意欲の高いユーザーは何もしなくても定価で買ってくれる可能性が高く、わざわざ値引き販売をすることで定価販売比率を落とす必要はないからです。

 一方、興味を示していないユーザーに割引クーポンを配布することは、ブランドやサイト自体の価値を棄損してしまう恐れがあるからです。割引クーポンは購入を迷っている人や商品をカートに入れたままにしている人などに限定してアプローチすべき、としています。

 ウェブ接客ツールはデジタルマーケティングに不慣れな担当者でもツールの管理画面上から使いやすくなっていますが、定番シナリオなどで成果を得た後は、それぞれの施策を微調整してその精度を高めていく必要があります。マーケティング支援が得意なRepro株式会社が実施した「ウェブ・アプリ接客ツール利用実態調査」によると、導入した接客ツールに満足していると回答した企業は52%にとどまったと言います。定番施策を行う程度で、ツールを”使いこなす”ことができなければ継続的な成果にはつながらないこともあるため、ウェブ接客ツールに担当者を配置したり、マーケティング支援会社に運用面をサポートしてもらうことで、導入したツールを無駄にしないことも必要と言えそうです。

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