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ECコラム

ネットショップに興味はあるけど何から取り組めば良いか分からない方、ネットショップで販路拡大を考えている方向けにECに関するノウハウや最新情報を発信していきます。

EC事業者にとって効果のあるインターネット広告とは

2021/07/01 最終更新日・2023/02/28
※最終更新日時点の記事です
 ネット通販でより売り上げを上げていくために考えていかなければならない施策の1つに「インターネット広告」があります。
実店舗でも同様ですが、ネット通販サイトも単に開設しただけでは商品は売れません。お店やそこで販売している商品のことを多くの人々、できれば当該商品に興味を持っている人に知っていただき、来店してもらえるかが非常に重要なポイントとなります。ネット通販サイトに見込み客を集客するための「インターネット上の目立つ看板」がインターネット広告となるわけです。

 インターネット広告にはいくつかの様々な種類があります。代表的なものは以下の通りです。

・リスティング広告
ネット検索サービスでの検索結果ページに表示される広告です。検索連動型広告とも呼ばれ、広告がクリックされると料金が発生する仕組みです。

・ディスプレイ広告
ポータルサイトなどWEBページの広告枠に表示される広告です。バナー広告とも呼ばれ、画像や動画、テキスト形式にて表示されます。

・ネイティブ広告
ニュースサイトなどの記事一覧やSNSのタイムラインなどにコンテンツと一体化した形で挿入される広告です。ユーザーに違和感なく情報を届けることができます。

・動画広告
YouTubeなどの動画共有サイトで投稿動画の配信前後に表示される動画型広告です。動画広告には、インストリーム広告(動画の再生前後や途中に流れる広告)やインリード広告(自動再生される広告)などの種類があります。

・アフィリエイト広告
広告主の商品やサービスを紹介するWEBサイト(アフィリエイター)を経由して、広告主の通販サイトなどに誘導、商品が実際に売れた場合にのみ広告料金をアフィリエイターに支払う成果報酬型の広告です。

 上記でご説明したインターネット広告は、集客という点では効果的でありますが、高額な広告料金を徴収される広告もあります。EC事業者がインターネット広告を上手に活用するためには自らの売上規模や販売する商品の特性を考慮しながら費用対効果を考えた広告を選び、上手に運用する必要があります。今回は様々なEC事業者に広く活用されており、ネット通販の売り上げ拡大に直結するような広告を中心に解説していきます。


商品検索のリスティング広告が効果的

 まずはリスティング広告(検索連動型広告)です。GoogleやYahoo!などのネット検索を利用した際に検索結果ページに表示される広告です。広告主は好きな検索キーワードを申請して、クリック単価を設定します。クリック単価とは検索結果に表示された広告が1回クリックされるたびに発生する広告料金です。広告のクオリティや広告から誘導するWEBサイトとマッチしているかなどいつかの条件がありますが基本的には、入札額が高い順に広告が目立つよい場所に掲載される決まる仕組みです。なお、クリック単価は入札方式で任意に設定できます。

 まさに今、知りたい興味のあることをネット検索で調べた結果、画面に広告が表示されるわけですから、ニーズが顕在化された人、ECで言えば非常に購入見込みの高い潜在顧客にリーチできるわけです。また、1クリックごとの課金であり、その金額も自分で設定できるため、広告予算の限られた中小事業者でも利用しやすい点も魅力です。
中でも特にEC事業者にとって効果的なものがネット通販で販売される商品に特化したネット検索の検索結果画面に表示されるリスティング広告です。

 具体的にはネット通販で販売されている商品を検索結果に表示するGoogleショッピングの「Google ショッピング広告」のほか、「楽天RPP広告(楽天市場)」、「アイテムマッチ(Yahoo!ショッピング)」、「スポンサープロダクト広告(Amazon)」といった各ECモールがモール内商品の検索サービスの結果画面に表示する広告です。

 広い層を対象にしたネット検索ではなく、基本的に「商品を買いたい人」が利用する検索結果に表示されるわけですから、より高い見込み顧客にリーチできることに加えて、競争相手がEC事業者を含む一般企業全般から「EC事業者のみ」に限定されるため、広告主間のキーワードの入札額競争についてもある程度、穏やかというメリットもあります。

 各リスティング広告はクリックあたり数円~数百円が目安で1日当たりの広告上限をあらかじめ設定することもできるため、各社の予算に合った運用ができます。管理画面などで費用対効果が測定しやすく、これまでインターネット広告をあまり使っていなかった事業者でも試しやすいというメリットがあります。各ECモールなどでも用意している自動でキーワードを設定してもらえるオート機能などを活用しながら、自社に合うキーワードを探したり、商品の粗利などによっても変わってくる最適な入札単価や広告費を試行錯誤しながら見つけ出していくことで高い効果を得られる可能性があります。


ECモール内の広告を活用する

 ネットショップにとって来店して欲しい層とは当然ですが、「商品を買いたい人」です。先ほどのリスティング広告でも触れましたが、商品を買いたい人が集まるECモール内に掲載する広告も効果的です。

 代表的なECモールである楽天市場、Yahoo!ショッピング、Amazonで出店するEC事業者から評価が高く、広く利用されている広告商品についても見ていきましょう。

 楽天市場ではトップページを含む各ページやアプリのプッシュ通知などで表示する割引クーポン付き広告「クーポンアドバンス広告」のほか、「母の日特集」などの特集ページ内に掲載されるいわゆるギフト広告などが複数の出店者から評価されています。前者は割引クーポンという分かりやすい特典の力、後者は「母の日」など販売期間があらかじめ決まっているイベントの特集ページに掲載されるため、「その期間中に高い確率で商品を買う人」にリーチできることで効果が出やすいようです。

 Yahoo!ショッピングでは同モール内の商品検索での検索結果順位を上げることができる「PRオプション」が評価されています。出店者が商品別または全商品に対して1~30%の料率を設定でき、料率が高いほど商品検索結果の上位に表示されやすくなる仕組みです。当該商品の売り上げに対して、設定した料率をかけた分が広告費となります。先ほど触れた通り、商品検索結果の上位表示は集客面で非常に重要ですので有効な広告と言えそうです。むやみに料率を上げてしまうと利益減につながり、注意が必要ですが、出店し始めたばかりであったり、新商品を発売したタイミングなどまだ売り上げが少ない場合や商品を拡販したい時期などに限定して料率を高めに設定するなど運用方法を工夫すると効果的です。

 Amazonでは競合商品などの商品詳細ページに広告を表示できる「スポンサーディスプレイ広告」が評価されています。自社商品に類似した商品や関連商品の詳細ページを閲覧しているような購入意欲の高い人にリーチできることからコンバージョン率(実購買数÷サイト訪問者数)が高いと多くの出店者から評価されています。

 EC事業者が広く利用するインターネット広告としては、ある商品を紹介する情報サイト(アフィリエイター)を経由してEC事業者の通販サイトに誘導、商品が実際に売れた場合にのみ広告費が発生する成果報酬型広告であるアフィリエイト広告などもあります。とくに健康食品やダイエット補助食品などの拡販に効果的でしたが、近年ではアフィリエイターの商品紹介の表現で行き過ぎたもの(景品表示法、薬機法等の違反)が散見されたことなどで規制が強化されつつあります。成果報酬のため依然として費用対効果に優れている広告で、うまく活用できれば効果的なことは変わりありませんが、規制の行方やそれに伴う運用の変化など今後の動向に注意が必要です。


自分たちにあった広告と運用を見つけよう

 自社で製造した商品なのか、仕入れ品なのか。粗利の高い商品なのか、商品単価が高いか低いかなど条件によって効果的なインターネット広告の種類も運用方法も異なります。インターネット広告は決してEC事業者にとって必須なものではありません。広告を出稿せずにSNSを活用して見込み客にリーチしたり、リピーターや愛用者などのお得意様に向けた商売で売り上げを伸ばしている事業者もあります。ただ、業績拡大のため効果的であることは間違いありません。継続的な出稿ではなく、どうしても売り上げを伸ばしたいタイミングなどに絞って展開してみてもよいでしょう。まずは少額から、自社にあった広告や運用方法をみつけることから始めてみましょう。必ずや売り上げアップにつながるはずです。
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