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ECコラム

ネットショップに興味はあるけど何から取り組めば良いか分からない方、ネットショップで販路拡大を考えている方向けにECに関するノウハウや最新情報を発信していきます。

アメリカ向け越境ECの今

2021/05/07 最終更新日・2022/10/18
※最終更新日時点の記事です

コロナ禍で市場規模が拡大

 ECの世界では、アメリカのトレンドは2年以上遅れて日本にやってくるという話があります。

確かに、振り返ってみればオムニチャネルやソーシャルコマースなどは、日本で浸透する数年前にアメリカではすでに確立されていた手法でもありました。直近では、自社サイトなどを通じて、直接、消費者に販売するブランドビジネスモデルの「D2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)」もアメリカの事例が発祥とされており、日本でも昨年頃からようやく各メーカーが力を入れ始めたところです。

まさにEC先進国ともいえるアメリカですが、このコロナ禍を受けてEC市場はさらに拡大したと言われています。特に、Amazon2020年アメリカEC売上シェアは38.7%)やeBay(同4.7%)をはじめ、スーパーマーケットチェーンのWalmart(同5.3%)などがそのけん引役として挙げられているようです(図表参照。3社のEC売上シェアはemarketer.comのデータより引用)

もちろん、この2020年の市場拡大の背景には、日本やその他の国と同様に、コロナ禍における実店舗の営業自粛や市中での外出規制といった共通のキーワードがあったことが推察されるでしょう。

 

在宅関連商品が堅調

とりわけ、日本からアメリカ向けの越境EC市場に関しては、在宅需要関連の商品が人気となったようです。

イーベイ・ジャパン株式会社が発表した、越境ECモールのeBayにおける202010月~12月の商品トレンドを見ますと、ブランド品のアパレル・ファッション雑貨や時計類といった商品が好調に推移しました。前年同期比で大きく成長したジャンルとしては、日本のアニメキャラクターのトレーディングカードや、日本のビデオゲーム(ゲーム機本体)、日本車などのオートパーツ(自動車用部品)といった商品があります(図表参照)。また、密を回避できるアウトドア関連用品についても、周りと距離を取りながらでも楽しむことができる釣り具などが注目アイテムとなっているようです。

アメリカでは、昨年よりコロナに関する経済支援策が行われており、各世帯に段階的に給付金が支給されています。今後も追加の支援策が見込まれており、消費喚起につながることが予想されます。引き続き、ECがその消費の受け皿として選ばれる可能性は高いでしょう。

越境ECモール「eBay」で202010月~12月の期間に日本の出店者から出品され、前年同期比で伸び率が高かった上位3カテゴリー(図表はイーベイ・ジャパン株式会社より提供)

ECは身近な存在

ECがアメリカの人々に身近となっている背景として、都市部に人口が一極集中する日本と違い、広大な土地に分散して街があるということがあります。当然ながら人口1人当たりの実店舗数も少なくなり、結果的に買い物をネットに頼らざるを得なくなっているのでしょう。

また、コロナ禍を受けて、実店舗の役割が薄れてきたことから、老舗デパートや玩具小売り大手など、名だたる企業がアメリカでの実店舗の大量閉店を開始しています。それらの企業はECへのシフトを進めていくとも言われており、コロナ禍を契機としたEC化の動きは、今後もさらに加速していくことは避けられないのではないでしょうか。

 前述のイーベイ・ジャパン株式会社が発表した商品トレンドを見ても分かるように、日本のキャラクターグッズやゲームなどは、アメリカの消費者に好感を持って受け入れられているようです。

ECが小売り市場の主役となりつつあるアメリカに向けて、日本に興味を持ってくれる人が増えている今こそ、日本の商品を売り出していくチャンスが来ていると言えるでしょう。


 

 

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