事例集
職人が手作りした”高品質・高機能な”如雨露の魅力をECを活用して世界に発信(平成29年度モール活用型ECマーケティング支援事業)
- 企業名:
- 根岸産業有限会社
- 代表者:
- 根岸洋一
- 事業内容:
- 如雨露の製造、販売
- Web サイト:
- http://www.negishi-joro.co.jp/index.html
企業紹介
・所在地:東京都
・資本金:300万円
・従業員:3名
越境ECに取り組んだきっかけ
NHK Worldで如雨露が紹介されたことで、海外から不定期にメールで如雨露についてのお問い合わせを頂くことがあった。越境ECサイトの今までお問い合わせのあった如雨露の詳細について説明することができ、そのまま販売までできるところに魅力を感じ、取り組むこととした。
海外で想定される強み
高品質・高機能であることに加え、全体が銅版でデザイン性が高いことも、海外における当社商品の強みと言える。また、既存客に対するCS(カスタマーサポート)として、海外拠点を設け(弟子)、商品(如雨露)の修理を行い満足度の高いサービスを提供できている点も当社の強みである。その他、海外のコンベンションへの参加や、NHK Worldへの出演など、露出が増えたことで知名度が上がり、顧客からの信頼につながっているのではないか。(既に23カ国と取引実績がある)
自社のリアルでの強み
当該企業の商品(如雨露)は、完全手作りで仕上げているため、1日の生産数は4個。商品(如雨露)の特徴は、竿を長くすることで水の圧力を調整でき、安定した散水ができることに加え、水が柔らかく、土を削らない・掘らない、肥料を飛ばさないことなど植物に適した散水が行えること。さらに当社が使用する銅版は耐久性に優れ、銅の殺菌力により水を腐りにくくし、溶け出す銅イオンの効果により盆栽などの苔の生育が良くなるという特徴もある。以上から、この優れた商品は、樹齢500年超の時価1億円以上する盆栽を育てた盆栽界のトップが認めた名品として、業界内の口コミでの広がっている。今では国内外の実店舗や展示会等多く場所で販売されている。
越境ECの計画(補助事業申請時)・実績
【計画】
<海外経験>
有<取扱商品>
盆栽専用如雨露<主なターゲット国>
フランス、ドイツ、スペイン、イギリス<ターゲット>
‐盆栽やガーデニングを本格的に始めた「本物」を求める20~60代男女‐日本での植物修行等、日本の伝統的な文化に興味がある層
<出店サイト>
モール出店(Amazon.com⇒計画変更によりeBay)<プロモーション方法>
(代理店の有無:無)Facebook(サイトで取り扱う商品の説明等)
<運営体制>
モール運営:アウトソーシング商品管理:自社1名(兼務)
顧客対応:アウトソーシング
<発送方法>
直送モデル(サービス名:EMS)【実績】
<出店サイト>
URL: https://www.ebay.com/usr/negishi-industry<出店開始>
2018年7月越境ECの課題・対策
<当社の越境ECモールの利用目的>
1.新規顧客開拓およびお問い合わせ先としての利用 海外のコンベンションへの参加や、NHK Worldへの出演などにより認知が拡大したことで、海外消費者からの問い合わせ(どこで販売しているのか、店舗で売り切れているが購入できないのかなど)が多くなったため、そういった消費者に対する窓口として利用。 また、新規顧客の開拓として ECモールには新たなBtoBバイヤーも購入しに来るケースがあるため、バイヤーからの問い合わせについては、既存の海外ディストリビューターを紹介する流れを取っていきたい。2.新商品等のプロモーション(テスト販売)として利用 これまではBtoBでの販売がほとんどであったが、越境ECを活用することで、動画を含めたコンテンツを充実し、消費者に対して新たな商品の魅力を見せたい。
<越境EC出店時>
当社スタッフは元IT業界での職歴があり知識が備わっているため、出店時の課題は特になし。<越境EC運営時>
商品説明の課題ECは模倣品等が多く出回り、消費者に模倣品が本物であるというような誤解を招いている恐れがあるため、自社商品の商品情報の充実化(提供者は根岸産業であることの証明)をすることで対策をしようと考えている。自社だから提供できる動画や無料の画像倉庫の設置(特定の印が付いたもの)によるコンテンツを提供し、消費者に対して“この商品が本物”であることの証明を発信していくことを検討している。
物流面での課題
梱包には注意を払っているが消費者へ届いたときに梱包材がつぶれていたりするケースがあるため、商品が破損するリスクが高い状況。そのため、梱包の仕方、箱の大きさ等を見直し商品の破損リスクを抑える対策を検討している。 また、梱包材については、破損リスクの回避だけでなく、上記模倣品、類似品対策(ブランディング)としてステッカーやシリアルナンバー入りなど工夫していく検討もしている。
今後の越境ECの方針
今後の方針としては、2つの越境ECモールの利用目的のとおり。通常商品は既存の大口顧客からの注文が主体だが受注に生産が追いつかず、既に1年待ち状態であるため、通常商品をモール出品し問い合わせが来た場合、海外の在庫を持っているディストリビューターを紹介するという販売方法をとって行きたい。 (※海外のディストリビューターのWEB対策がうまくいっていないため、検索しても見つけられないという事案が多く、そのために当社がモールに出店することで見つけられるようにし、在庫を持っているディストリビュータに消費者を振っていく。) また、新商品等のテスト販売の場としてモールを利用し、消費者の反応を見ていきたい。
平成29年度モール活用型ECマーケティング支援事業とは
モール活用型ECマーケティング支援事業では、中小企業者のEU加盟国への販路開拓の取り組みを支援するため、「越境ECモールへの出店にかかる費用等の補助」、「越境EC専門家によるアドバイス」、「特設サイト及び現地店舗を活用したテストマーケティングイベントの開催」などのサービスを提供しました。
専門家:横川広幸
平成29年度モール活用型ECマーケティング支援事業とは
モール活用型ECマーケティング支援事業では、中小企業者のEU加盟国への販路開拓の取り組みを支援するため、「越境ECモールへの出店にかかる費用等の補助」、「越境EC専門家によるアドバイス」、「特設サイト及び現地店舗を活用したテストマーケティングイベントの開催」などのサービスを提供しました。