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事例集

日本発祥の和装品を海外に広め新たな市場の開拓を

企業名:
京越株式会社
代表者:
呉 越
事業内容:
和装製品等の製造・小売・直販、和装のレンタル、ペットグッズのEC 販売
Web サイト:
http://www.kyoetsu.co.jp/

会社概要

所在地:京都府京都市下京区東洞院通綾小路下る扇酒屋町291番地
資本金:1,000万円
従業員:137人(パート等含む)※令和2年8月時点
EC経験:国内ECは2012年から、越境ECは、Amazon.com(米国)にて2017年3月から販売
売上高(2020年):28億2,000万円
出店モールでの実績:Amazon.com(米国)では、毎年1.5倍のペースで伸長しており、前期(2021年8月期)は年商4,000万円となった。
自社ECサイト:https://www.kyoetsuhonten.jp/
ECモール:
Amazon.com https://www.amazon.com/stores/KYOETSU/page/DE44C436-F095-4B49-80AF-0ACFB789E6F8?ref_=ast_bln
※その他にイギリスとドイツのAmazonでも販売 

越境ECに取り組んだきっかけ

国内でのEC事業は順調に成長を続けてきたが、国内市場は高齢化の進展や若年層の人口減少で人口分布が変化し将来的に厳しい局面を迎えると考え、越境ECに取り組み始めた。浴衣などは海外でも受け入れられており、日本発祥の良い製品をアピールし、浴衣に限らず、着物(晴れ着)や襦袢、紋付の着物、草履など和装全般を海外に広めていけば、ビジネスとして成り立つと考えた。日本のAmazonのマーケットプレイスでの取り組みもあることから、取りかかりやすいと考え、米国のAmazon.comのマーケットプレイスで越境ECをスタートした。

越境ECを始めた当初課題と考えていたこと

米国のお客様が求めるものを見定めることができないという、手探りでのスタートとなった。この点は現状においても同様の状況にあるが、当初は全くデータがない中で、売れる商品を探ることが大変だった。返品となると、輸送費の負担も重くなるだけに、売れ筋を見極めることが一番の課題となる。

ECの取り組み状況

○主な商品名
・浴衣
・帯
・着物
・草履

○メインの出店先
Amazon.com(米国)

○ターゲット
Amazon.com(米国)の顧客層、20~50代の男女

○プロモーション方法
Amazon.com(米国)の顧客のレビューや販売実績・レポートを分析して顧客が求めている商品を理解する。売れ筋商品に育て、注力していくことで、顧客の獲得を行っている。

○運営体制(和装品EC部門)
販売部門(企画・マーケティング等)の社員:10名
カスタマー対応・出荷対応の社員:8名
※このほかにパートタイマー:18名  

EC事業開始から現在までの歩み

国内EC事業を2012年にスタートし、主だったECモールに出店。成長を続けてきたが、浴衣の主なターゲットとなる若い女性の購買が一部ECモールで減少するようになるなど人口分布の変化が国内EC事業に影響し始めた。そこで販路拡大を狙い、越境ECにも手を広げることにした。まず、米国市場への進出を決め、2017年にAmazon.com(米国)のマーケットプレイスで販売を開始。どのような商品が求められているかを探りつつ試行錯誤を繰り返している。売れ筋となる商品を見つけることが重要なポイントとなる。2020年10月にはイギリスのAmazonへも進出し、欧州全域での販売を企図したが、イギリスのEU離脱でイギリスのみでしか販売できない状況になった。そこで同年12月にドイツのAmazonでも販売を開始したが、新型コロナウイルス感染症の影響で製品を輸出できない状況となってしまった。欧州各国は先々本格化していく考えであり、当面はアメリカでの販売に注力している。

ECサイト

企業サイトトップページ 



 

Amazon.com(米国)




商品ページ(Amazon.com=米国)




ECでの工夫や自社の強みと考えていること、今後の展望など

〇ECでの工夫
日本のAmazonへ出品している経験とノウハウがあり、米国でもページ制作などの国内でのノウハウを活かしてシンプルに出品できる。当初、米国での銀行口座の開設や、商品の在庫保管・配送代行サービスである「フルフィルメント by Amazon(FBA)」を利用するため物流業者に輸送業務等を委託することにし、スタートまでに半年近くを要した。FBAでの在庫を保管する事業モデルで、先に商品を送ることができ、米国内での販売が効率的に行えるようになっている。
ただし、無制限に在庫を預けると倉庫費用等のコストが大きくなってしまう。そのためにも売れ筋を見極めて、すぐに売れる商品を掲載し、即座に補充できるようにすることを常に意識して事業展開するようにしている。売り切ることができる商品を選定して販売することを重視しているので、米国のお客様が欲しいと思われる商品を想定して販売するということを積み上げていくようにしている。

〇自社の強み
中国に工場を持つメーカー機能も有しており、生産力は大きな武器となっている。商品提案力があり、テストマーケティングをうまく機能させて販売できる体制にあると考えている。
売れ筋を見極めるだけでなく、生産工場を持っていることはニーズを吸い上げて迅速に対応できる点で有利と言える。

〇今後の展望
米国での販売は日本と同様に注力していく。まだ3~4年ほどの実績だが、アメリカ人の心理をどう理解するかが大事であり、その取り組みはまだ時間を要する。そのためには、リピート購入していただける商品を数多く増やしていくことが重要で、Amazon.com(米国)でも取り組むべき課題であり、これからも試行錯誤を重ねることで、成長し続けることができると考える。

売れ筋

KYOETSU Japanese Kaku Obi
Belt Men Easy Yukata Kimono
One-Touch Pre-Tied Waistband
(男性用角帯)
【米国】34.99米ドル

KYOETSU Yukata Women
Japanese Traditional Cotton
Kimono Robe Colorful Retro
Style 4‐Piece Set, Free Size
(女性用浴衣、草履、帯、
スリップ4点セット)
【米国】118.99米ドル

KYOETSU Women's Japanese
Wooden Geta Sandals
(女性用下駄)
【米国】32.99米ドル

本事例からの学び

1.国内EC での売れ筋と越境ECの売れ筋はリンクすることもあれば、まったく異なることもあります。それでも、事業スタート当初は国内での売れ筋の販売から始め、海外の顧客のニーズを大方探り、それから当該国の顧客の好みなどを探り出すようにすることが良いのではないでしょうか。アイテム数も最初から多数を出品するのでなく、ニーズを把握しながら徐々に増やして売れ行きを見定めていくことを繰り返すことで、売れ筋に対する感度を上げることができるようです。

2.商品を海外へ輸送することが必要な越境ECですが、海外輸出等の経験のない事業者にとって大きなハードルでもあります。輸出業務等を熟知した代行事業者などのサポートを受けることが成功の近道とも言え、開始に当たっては、そのような支援事業者に相談されても良いでしょう。

3.当社では、欧米を対象にした越境EC を展開するに当たって、初めから全エリアで一気に進めるよりも、1国をターゲットにしてスタートしビジネスモデルを構築しました。蓄積したノウハウを他国で横展開していくことで、新たな市場開拓を効果的に行えるのではないでしょうか。