事例集
化学の専門知識で競合の少ない市場を開拓(平成27年度中小企業越境ECマーケティング支援事業)
- 企業名:
- 株式会社黄河
- 代表者:
- 川波宇澄
- 事業内容:
- ハーブ蒸留器の製造、販売
- Web サイト:
- http://kame-kohga.com/company/
企業紹介
・所在地:福岡県
・資本金:1,000万円
・従業員:6名
越境ECに取り組んだきっかけ
企業の主力であった焼酎の装置のブームが去り、得意分野でもあるハーブ蒸留装置を仕入れ&販売を開始した。ハーブマーケットの拡大とともに順調に業績を伸ばす中、時折、海外から英語でのお問い合わせも増えていくことに気づく。また、日本人の顧客が購入し、装置を海外で使用している実例も増え、英語圏での販路拡大を検討する。機構の越境ECフェスティバルへ参加したのがきっかけで越境ECを本格的にはじめていくことになった。
海外で想定される強み
上記ハーブ蒸留器のノウハウは、国内外の競合会社でも保有している会社がほとんどなく、海外でも有効な強みといえる。そのため、越境ECでも稀有な存在として確立し、事業を進めることができる。 海外からもアロマを用いて起業しようと考えている人や大学研究者、専門商社などからお問い合わせがあり、確かなニーズもある。
自社のリアルでの強み
ハーブ蒸留装置の販売において、顧客ニーズ(新商品の試作品用や大量生産用、専門性が高い抽出用など)に合わせて、小型〜大型製品の受注生産が可能であること。また、コスト面においても、蒸留装置を構成する器具を比較的安価で簡易的なものを用いて、品質を維持しながら安全・安価にする工夫ができることも当社の強み。代表者が化学系エンジニア経験者であったため、蒸留に関するノウハウやアロマ事業支援サービスとして300種類以上の材料の試験蒸留、150種類以上の成分分析のデータを蓄積しており、そのノウハウ自体に強みがある。
越境ECの計画(補助事業申請時)・実績
【計画】
<海外経験>
無<取扱商品>
ハーブ蒸留器(ステンレス製・ガラス製)<主なターゲット国>
シンガポール、カンボジア、インドネシア<ターゲット>
‐20~60代のアロマテラピー、オーガニック、ハーブ、自然派、手作りに関心を持っている層‐アロマ、化粧品関連の事業者
<出店サイト>
モール出店(Amazon.com)<プロモーション方法>
(代理店の有無:無)‐Google(リスティング広告)
‐Facebook(商品の投稿)
‐WhatApp(商品の投稿)
‐Twitter (商品の投稿)
<運営体制>
サイト運営:自社1名(兼任)商品管理:自社2名(兼任)
顧客対応:自社1名、アウトソーシング1名‐メール対応
<発送方法>
直送モデル(サービス名:EMS)【実績】
<出店サイト>
URL:https://www.amazon.com/s?k=PureStiller&ref=bl_dp_s_web_0
<出店開始>
2016年1月越境ECの課題・対策
<越境EC出店時>
Amazonへの出店は、新規顧客に対する製品のプロモーションの一環として行った。モール内の新規顧客に対して、モール内で他社製品と比較してもらうことで、自社製品の優位性(性能、価格面)から購入していただくことを狙っている。最終的には様々なニーズに適した製品を販売することになるため、モールから自社サイトへの誘導も行っている。上記から、まずは製品の認知の向上および見込み客を増やすための海外向けWebプロモーションの運営ノウハウが課題である。これまでに海外向けWebプロモーションはFacebook広告やGoogleAdwordsを実施した。Facebook広告においては、ユーザー数、セッションともに実施前の10倍程度のアクセスがあり、GoogleAdwordsは継続的に実施しており2018年は実施前の約2倍のアクセスがある。海外向けWebプロモーションにあたって、Webサイト内の全ての情報を英語化していく必要があるが、当社製品は専門性が高いため、 Webサイト内の文章はネイティブチェックをしなければいけないなど高いコストがかかるのが今後の課題。また、対外的な営業等にしても専門知識を持つ人材が少ないのも中長期的な課題としてある。<越境EC運営時>
現状、注文、決済方法連絡、発送(EMS)などはトラブルが発生しない限りは代表者1名ですべて対応している。喫緊に対策が必要な問題は特にないが、お問い合わせがあった場合の内容が専門知識を要することになるので、代表者1名での対応が多く、代わりを務められる人材の育成、確保が課題である。今後の越境ECの方針
海外からのお問い合わせが増えているため、英語サイトを日本語サイト並みに充実した情報を提供するサイトにしていきたい。 また、化学の専門知識を有する人材の確保が非常に難しいので、人材が増えるまでの間は、Webサイトが営業マンの役割を果たせるようなサイト作りを行う。新規プロダクトとして、蒸留時に出る残渣物を製品化することも検討しており、その製品の販売先として越境ECを活用していく。
平成27年度中小企業越境ECマーケティング支援事業とは
環太平洋パートナーシップ協定交渉参加国を主たる対象として新たに越境ECサイトを出店または構築する中小企業者に対して、「越境ECサイト出店・制作費用(越境ECサイト出店初期費用、越境ECサイト制作費、翻訳費、コンテンツ制作費)や越境ECサイトプロモーション費用の補助」、「越境EC専門家によるアドバイス」、「現地テストマーケティング(シンガポール、米国(ニューヨーク))、イベントの開催」などのサービスを提供しました。
専門家:横川広幸
平成27年度中小企業越境ECマーケティング支援事業とは
環太平洋パートナーシップ協定交渉参加国を主たる対象として新たに越境ECサイトを出店または構築する中小企業者に対して、「越境ECサイト出店・制作費用(越境ECサイト出店初期費用、越境ECサイト制作費、翻訳費、コンテンツ制作費)や越境ECサイトプロモーション費用の補助」、「越境EC専門家によるアドバイス」、「現地テストマーケティング(シンガポール、米国(ニューヨーク))、イベントの開催」などのサービスを提供しました。