事例集
仏壇製造の職人が作った”既存商品にはない”素材感の新商品を展開(平成29年度モール活用型ECマーケティング支援事業)
- 企業名:
- 株式会社井上
- 代表者:
- 井上昌一
- 事業内容:
- 仏壇、仏具、神具の販売
- Web サイト:
- https://www.inouebutudan.com/
企業紹介
・所在地:滋賀県
・資本金:500万円
・従業員:1名
越境ECに取り組んだきっかけ
ジェトロの越境ECの専門家に相談、越境ECが当該企業の海外展開に有益であると思ったことがきっかけ。
海外で想定される強み
仏壇製造で培った木材加工技術、色漆、デザインを駆使して、あえてエスプレッソコーヒーカップと高級時計保管用ケースに絞って商品の開発を行い、既存製品にはない素材感やすべてが日本製であるという点で差別化をできていることが強み。
自社のリアルでの強み
当該企業は仏壇セットアップメーカーの老舗ということで、構築した仏壇製造の各工程における職人(木材で仏壇の本体を作る「木地師」、下地加工したのち、漆で手塗りする「漆塗師」など7工程の職人)とのネットワークやデザイン、色漆を使った製品を生み出すアイデア力に強みがある。そのほかにも経営者自身が新規事業の立ちあげや新製品の開発に意欲的であり、行動力も十分備わっていることにも強みがある。
越境ECの計画(補助事業申請時)・実績
【計画】
<海外経験>
無<取扱商品>
コーヒーカップ・コーヒーミル・ウォッチワインダーケース<主なターゲット国>
ベルギー、デンマーク、ドイツ、フランス、イタリア、ルクセンブルク、オランダ、オーストリア、イギリス<ターゲット>
‐自然を愛し、素材にこだわる女性‐日本製の手造り品となるため、価格帯は高いので、その価値を理解できる高所得者層
‐腕時計のコレクターである富裕層の男性
<出店サイト>
モール出店(eBay )<プロモーション方法>
代理店の有無:有‐Facebook(バナー広告)
代理店の有無:無
‐Facebook(商品の紹介等)
<運営体制>
モール運営:自社2名(兼務)商品管理:自社1名(兼務)
顧客対応:自社1名:メール対応
<発送方法>
直送モデル(サービス名:EMS)【実績】
<出店サイト>
URL:https://www.ebay.com/usr/inoue_inc?_trksid=p2047675.l2559
<出店開始>
2018年8月越境ECの課題・対策
<越境EC出店時>
当該企業の課題は次のとおり。1)主力製品ではない新規開発の商品であること
2)在庫点数が少なく、価格も高いこと
3)商品の良さがネット販売で伝わりにくいこと
4)社内で越境EC専門のスタッフが少ないこと
5)当該企業のブランドの認知度の低さ。
このような課題を抱えつつ、欧州への販路を開拓するため、eBayへの出店した。
しかし、商品の特性(ターゲットや価格帯)からみると、モールだけでなく、独自ドメインサイト両方を併用して、独自ドメインサイトで商品の良さを伝え、販売はモールで行うという販売方法を取る必要がある。
幸い当該企業の経営者はフットワークの軽さとポジティブで柔軟な性格があるので、そこを生かして、出店方法やターゲット、販促方法を見直す必要があると思われる。
<越境EC運営時>
越境EC運用業務をすべてアウトソーシングしているが、肝心の販促自体はほとんど行われていないことが課題である。 販促業務を自社で行うための人材の確保、育成などの対策が必要。当該企業の商品は、高価格帯の日用品であるため、一般的には越境ECにおいて販売を完結することは難しい。価格に見合った価値を訴求するには、リアルでの体験(実際に見て、触って、使ってもらう)などが必要である。そのため、リアルでの販促、ネットでの注文受付というようにリアルとネットでの役割を明確にする必要がある。今後の越境ECの方針
販促についての課題を解決していくことが当面の目標である。 コーヒー関連商品については、社用ギフトが盛んな欧米、アジアのBtoB市場の社用ギフトを取り扱う広告代理店をターゲットにして展開していく。eBayの販売をサンプル購入用として維持し、ギフト提案を行う広告代理店への直接営業を行う。高級時計の保管用ケースについては、高級時計が売られている欧米、アジアの先進国の高級時計の取扱店への卸等への直接販売を目指す。紹介サイトを通じてPRしていきたい。
平成29年度モール活用型ECマーケティング支援事業とは
モール活用型ECマーケティング支援事業では、中小企業者のEU加盟国への販路開拓の取り組みを支援するため、「越境ECモールへの出店にかかる費用等の補助」、「越境EC専門家によるアドバイス」、「特設サイト及び現地店舗を活用したテストマーケティングイベントの開催」などのサービスを提供しました。
専門家:中川泰
平成29年度モール活用型ECマーケティング支援事業とは
モール活用型ECマーケティング支援事業では、中小企業者のEU加盟国への販路開拓の取り組みを支援するため、「越境ECモールへの出店にかかる費用等の補助」、「越境EC専門家によるアドバイス」、「特設サイト及び現地店舗を活用したテストマーケティングイベントの開催」などのサービスを提供しました。