事例集
海外パートナーとのネットワークから豊富な商品展開を実施(平成29年度モール活用型ECマーケティング支援事業)
- 企業名:
- 株式会社サンエー
- 代表者:
- 岩本富子
- 事業内容:
- ブランドの並行輸入品、呉服などの日本製品の販売
- Web サイト:
- http://eurobrand.jp/
企業紹介
・所在地:福岡県
・資本金:1,000万円
・従業員:13名
越境ECに取り組んだきっかけ
国内市場がシュリンク(日本の人口減少、少子化、消費動向の変化など)していく中、これまでの主力事業である並行輸入事業だけでは事業の先行きが不透明。 これまでの経験で培った海外一流ブランドのサプライヤーとの信頼関係や輸入ノウハウ(6,000近いブランド取扱実績)を活かし、越境ECを始めることにした。
海外で想定される強み
長年の並行輸入品の販売により、海外パートナー(国内外200を超える取引先)とのネットワーク構築ができている。これにより、海外消費者ニーズ等の情報をいち早くキャッチできており、消費者ニーズ(トレンド)にあわせた商品を提供できる。また、国内に実店舗を保有しており、インバウンド客がいること、長年の経験により並行輸入品の販売企業としての「信頼」が海外消費者に対して強みと言える。
自社のリアルでの強み
並行輸入の分野においてはパイオニアといっていいほど早い段から海外との貿易、買い付け(年4回行っている、現地スタッフもあり)などを行ってきた。そのため、海外パートナーとのネットワークも豊富でさまざま商品を大量に仕入れるため、多品種(常時3,000以上の出品数がある)、且つ低価格で提供できることが強みである。 上記より、空港免税店よりも低価格で提供できている。また、博多の商業地に実店舗も保有しているためインバウンド客に対するアプローチも可能。
越境ECの計画(補助事業申請時)・実績
【計画】
<海外経験>
有<取扱商品>
抹茶パウダー・博多織小物<主なターゲット国>
フランス、イタリア<ターゲット>
‐一流の逸品を求める富裕層客。‐日本文化に興味のある方
‐日本料理店や日本関連のサービス提供者
<出店サイト>
モール出店(Amazon)<プロモーション方法>
(代理店の有無:有)‐google(リスティング広告)
(代理店の有無:有)
‐Facebook(サイトでの取り扱う商品の説明等)
<運営体制>
モール運営:自社1名(専任)商品管理:自社1名
顧客対応:自社1名(メール対応)
<発送方法>
直送モデル(サービス名:EMS)【実績】
<出店サイト>
URL:https://www.amazon.co.uk/s?rh=n%3A83450031%2Cp_4%3AWASOMI&ref=w_bl_sl_s_ ap_web_8345003
<出店開始>
2018年9月越境ECの課題・対策
<越境EC出店時>
米Amazonでの出品にあたり、当社の取り扱い商品が並行輸入品(ブランド品)であるため、本物である事のエビデンスを取得することに時間を要している。過去に上記の問題を解決できず、アカウントを停止されたことがあるため、今後は複数のアカウントを持っておく対策を検討している。<越境EC運営時>
モールの販売手数料などにより利益率が低いことやモール出店特有の顧客化ができない点が、今後の中長期的な課題である。対策として、今年6月からGMOメイクショップを利用し、多言語化した自社サイトを開設。狙いは、バイヤー(BtoB)との取引。国内はブランド離れが進んでいるため、アジアを中心に販路を広げていく。ECモールはWebカタログとして利用し、利益率、販売数量の大きい自社サイトへの誘導していく。また、物流やカスタマーサポートなど、販売後のバックオフィス業務を行う体制にも課題がある。これは喫緊の課題ではあるものの、年商1000万円以上の売上を上げようとした場合、新たな人員確保や設備投資などのコストが発生してくることから、費用対効果が合わなくなってしまうため、今後の運用体制、設備投資にはもう少し検討する必要がある。今後の越境ECの方針
並行輸入品などは競合も多く、ブランド離れという風潮も重なり、価格競争等のナンバーワン戦略は取りづらくなってきたため、過去に取扱いのなかった商品なども販売するオンリーワン戦略へシフトしていく。 また、今後はインバウンド客を狙ったO2Oの取り組みとして、実店舗はショールーム化し、店舗で見て触ってもらった後にEC へ誘導し購入してもらう流れにしていきたい(実店舗にタブレットなどを置き、自社ECサイトで購入させる)。
その他、商品を仕入れたい企業に向け海外への買い付けツアーなどの新規事業も行いたいと考えている。
平成29年度モール活用型ECマーケティング支援事業とは
モール活用型ECマーケティング支援事業では、中小企業者のEU加盟国への販路開拓の取り組みを支援するため、「越境ECモールへの出店にかかる費用等の補助」、「越境EC専門家によるアドバイス」、「特設サイト及び現地店舗を活用したテストマーケティングイベントの開催」などのサービスを提供しました。
その他、商品を仕入れたい企業に向け海外への買い付けツアーなどの新規事業も行いたいと考えている。
専門家:横川広幸
平成29年度モール活用型ECマーケティング支援事業とは
モール活用型ECマーケティング支援事業では、中小企業者のEU加盟国への販路開拓の取り組みを支援するため、「越境ECモールへの出店にかかる費用等の補助」、「越境EC専門家によるアドバイス」、「特設サイト及び現地店舗を活用したテストマーケティングイベントの開催」などのサービスを提供しました。