B to B向けのニッチな商材をB to Cへとシフトチェンジして大成功!
(中小機構のEC活用支援事例)
- 企業名:
- 株式会社創和
- 代表者:
- 守屋 和彦
- 事業内容:
- フィルム・テープ・発泡体の精密打ち抜き加工、医療・工業向け精密部材のアッセンブリ
- Web サイト:
- https://sowa.gr.jp/
企業紹介
所在地:東京都新宿区西新宿8-14-21 双英ビル9階
従業員数:70名
資本金:5,000万円
事業の詳細は以下をご参考ください。
はじめに
創業以来40年にわたり、型抜き加工プレスを主な事業としてきた株式会社創和。その技術力は幅広い業界で認められ、車のタッチパネルディスプレイやセキュリティ製品の部品から人体に触れる医療機器製品に至るまで、私たちの暮らしを支える製品を届けています。取引の基本はB to Bですが、コロナ禍において、ニッチな商品を消費者が求めていることに気づき、2021年よりECサイトを活用したB to C事業にチャレンジをすることになりました。新たな視点や商機を与えてくれたECサイトの可能性や今後について、担当である営業部の藤井氏、総務部の鈴木氏にお話を伺いました。
商品名:脱毛用ほくろ保護シール

大手エステサロンや医療脱毛クリニックで実際に使用されている、ほくろ、しみ、そばかす、傷跡を隠す高品質な保護シール。コロナ禍において、家庭用脱毛器でセルフ脱毛をするユーザーに支持された。肌に貼ることを前提にした医療用テープを使っているため、肌にやさしく・かぶれにくいのが特長で、脱毛時の痛みをやわらげる効果も期待できる。販売実績500万枚以上の、創和が誇るヒット商品。
この事業に応募したきっかけを教えてください。
「脱毛用ほくろ保護シール」は、全国展開をしている大手脱毛サロン様などに卸していたものです。ところがコロナ禍によって脱毛サロンに通うことを自粛し、自宅でセルフケアをする方が増えるようになったのと同時に、コーポレートサイトのリニューアル後のアクセス解析で、「脱毛用ほくろ保護シール」の製品情報ページが多く見られていることに気づいたのです。これは消費者から求められているのだと確信し、自社ECサイトをオープンさせました。需要があるなら、自社ECサイトだけでなく、やはり大手ECモールでチャレンジをしてみたいという気運が社内で上がってきたのが、「いいものエール」に応募した一番の理由です。初期投資が必要ないことでも出品のハードルが下がり、社内を説得しやすかったです。
同時に、当社はECを始めたばかりで専門部署がなく、営業部と総務部所属の私達2人が兼業で進めています。知見・経験のないなか、見様見真似で進めていたので、しっかりと学ぶ必要性を感じていました。今後、EC事業をより発展させていくために、大手ECモールへの出店と、知見を高めるという目的を叶えてくれたのが「いいものエール」の事業でした。
この事業に参加して、自社サイトとの違いを感じることはありましたか?
今回、3つのECモールに出店したことで、それぞれの特徴を知ることができ、ECモールによって売り上げが変わることに驚きました。また、タイトルの付け方、キーワードの設定方法、文章の書き方、写真の見せ方など新鮮なことだらけでした。これまでは2人で試行錯誤しながら制作していましたので大変勉強になり、ほんの少しの工夫が集客に影響が出ることを改めて感じました。このとき得た知識は、自社サイトでも活用しています。
この事業に参加して、よかったことはありましたか?
まず、セミナーが充実していることです。今回、「ECモール初心者のための商品ページ基礎知識講座」と「国内外のECモールに出店してみよう! 事業概要から学ぶEC基礎講座」の2つのセミナーに参加しました。基礎を改めて学びなおすことができたことはもちろん、オンラインで気軽に参加できることもうれしい点でした。講師の話は実感できることが多く、書籍などを読むだけでは理解できなかった知見を得られました。
もうひとつは、「EC活用支援アドバイス」という制度を使って専属のアドバイザーに運営の不安や疑問を相談できたことです。たとえば、集客のためにweb広告の活用を提案してくれるなど、中小機構のEC支援に携わるアドバイザーが的確に助言してくれたことは心強かったです。また、ECサイトが消費者にどう見られているかなどを、第三者の視点から指摘していただいたこともあり、新たな気づきも多かったです。
今後の展望について教えてください。
今回、本事業に参加したことで、「脱毛用ほくろ保護シール」は大手脱毛サロンなどの法人だけではなく、個人や小規模でサロンを経営している個人事業主の方々にアピールできたことは大きいです。これをきっかけに社内でも新たな商品の企画開発をする雰囲気も生まれ、ゆくゆくは海外向けに越境モールにも出品したいという野望も出てきています。当社は技術力を誇るメーカーで、さまざまな業種の企業様からの依頼にお応えしてきましたが、ECモールをはじめ一般消費者相手のBtoCには疎いところがあるのは否めませんでした。ただ、今回のチャレンジによって、ECモールやITの活用が業績に貢献することが実感でき、それ共有するようになったので、社内全体の意識が変わったような気がします。今後は、自社サイトを育てながら、近い将来、大手ECモールへ出店できることを目指していきます。