本文へ移動
ここから本文です
事例集

メーカーの強み活かしてコロナ禍で躍進

企業名:
株式会社パピー
代表者:
犬飼翔太
事業内容:
玩具・遊具の製造販売
Web サイト:
https://www.puppy-jp.com

会社概要

所在地:埼玉県加須市南大桑464-1
資本金:1000万円
従業員:10名(2021年10月現在)
EC経験:6年
売上高(2020年度):3億円
自社ECサイト: http://pp-baby.com
ECモール:
 楽天市場
 Yahoo!ショッピング
 Amazonマーケットプレイス

ECに取り組んだきっかけ

同社は創業1922年の幼児向け玩具・遊具製造メーカーだが、これまでは卸売り専門であり、小売りへの参入は検討したことがなかった。近年は自社企画・海外製造にも取り組んでいたが、価格競争の激化などもあって卸売りが安定せず、さらには社内で業務効率化が進んでいなかったこともあり、利益面で厳しい状況だった。そんな中で、現社長の犬飼翔太氏が入社したころから変化が起きた。犬飼氏は入社以前、IT企業での勤務経験もあったことから、EC参入を決意。利益を確保しやすい直販に取り組むことで、会社の立て直しを図ることにした。

ECを始めた当初課題と考えていたこと

楽天市場への出店後、売り上げ自体はすぐに月商100万円に達し、その後も10%程度のペースで売り上げが増えていった。ただ、会社の経営を抜本的に見直している最中だったため、もっと売り上げを伸ばさなければいけないと思っていた。当時は「どうすればたくさん注文を取れるのか」をあまり理解しておらず、集客面が課題となっていた。

ECの取り組み状況

○主な商品名:幼児向け玩具や室内遊具

○メインの出店先:楽天市場

○ターゲット:20~40代の子育て世代女性

○プロモーション方法
稼ぎ時であるクリスマスシーズンにバナー広告を出稿することはあるが、普段はRPP広告(予算内で楽天市場内の検索連動型広告)を使っている。また、商品特徴の詳細な説明など、商品ページの作り込みも、楽天市場内の検索順位を上げるために大事だと思っているので、重視している。

○運営体制
受注・顧客対応:2~3名
発送:5~6名

EC事業開始から現在までの歩み

まずは手数料が無料だったこともあり、2015年Yahoo!ショッピングに出店。思うように売れず、半年後に「やはり一番大きそうなところに出そう」と楽天市場にも出店した。クリスマスに強い商材を扱っていることもあり、月商100万円~200万円まではすぐに達成したが、その後は思うように伸びなかった。そうしたこともあり、2018年には楽天市場で実績を積み上げてきた有名店舗が「リーダー店舗」となり、他の出店店舗にネット販売に関するノウハウを伝授するサービス楽天NATIONS(ネーションズ)に参加した。「リーダー店舗」の話はもちろん、約30人の生徒(他の楽天市場店舗)との会話やコミュニケーションが新鮮で、いろいろな気付きがあった。運営面では、それまでは自社のオリジナル商品しか扱っていなかったが、他社からの仕入れ商品を増やすことで楽天市場内検索における露出度を上げた。当初は50商品程度だったものが、現在は約1000商品を登録している。また 楽天市場で開催される「楽天スーパーSALE」や「お買い物マラソン」といった大型イベントにも積極的に参加した。これにより、楽天NATIONSの目標である、月商2倍を数カ月で達成。その後も売り上げは大きく伸ばしており、2020年からのコロナ禍においては、ジャンピングボード(トランポリン)が大ヒットした。安全性にも配慮した商品で、外で子供を遊ばせることができない母親からの注文が殺到。仕入れ商品では顧客に納期を示せないが、自社開発商品なら納期を示せるという点が非常に大きく、届けるまで2カ月かかってもクレームはなかった。ピーク時で月商は6000万円に到達した。

ECサイト

TOPページ(企業サイト)



TOPページ(ECサイト)



  

商品ページ(ECサイト)



ECでの工夫や自社の強みと考えていること、今後の展望など

〇ECでの工夫
ペルソナ(自社商品を購入する代表的なユーザー像)を定めた販促をしている。商品ページの画像や、配布するクーポンの価格帯など、ペルソナに合ったものを想定し成果を挙げている。これは犬飼氏が子育てをしている点や、スタッフにも子育て世代がいる点が大きい。 ECにおいて商品画像は購入する際の判断材料として重要なため、ターゲット層に刺さる画像を選ぶことが重要になってくる。一方で、子供が成長したときにターゲット層にあった販促ができるのか、という課題もある。また、ECでは商品レビューもとても重要なので、「レビューを投稿してくれたら3年保証を付加する」という特典を設けている。

〇自社の強み
自社開発のオリジナル商品を揃えており、売れ行きが良く、利益率が仕入れ商品より高いこと。扱う約1000商品のうち50商品程度だが、売り上げ比率でいうと自社商品が50%で、他社からの仕入れ商品が50%。ヒット商品となったジャンピングボードに関しては、手頃な大きさで、大人も使えるほど耐久性が高く、スプリングを替えれば長く使え、さらには3年保証もあるなど、他社商品との差別化ができている点が売れた要因といえる。一方で、仕入れ商品を扱うことで見えてくる部分もある。顧客からクレームが入った際、仕入れ商品の場合は当該メーカーに対応を求めることになるが、その対応に見習うべき部分があれば、メーカーでもある自社のノウハウとして取り込むことができるからだ。

〇今後の展望
コロナ禍でのヒット商品において得た顧客に対して継続的に販促していきたい。現在、楽天市場の売り上げが大半を占めているので、他のECモールや自社通販サイトも強化したい。また、楽天NATIONSでは講師役である「リーダー店舗」を務めており、そこで得たノウハウを活かし、EC進出を検討する会社向けのコンサルティング事業をやってみたいと考えている。

売れ筋

商品名称:ジャンピングボード
価格:1万980円

商品名称:ベーシックプレイジムmilltel
価格:1万2980円

商品名称:日本製セーフティボール
価格:8980円

本事例からの学び

1. ECを始めると、分からないことやさまざまな悩みが出てくるはずです。周囲に相談できる人がいない場合は、ECサポートツールを提供する企業などが開催するセミナーに参加してみたり、ECモールが主催する企画に参加してみたりするのも良いでしょう。同様の立場のネットショップの方々と話をする中で、見えてくることや気付きが必ずあるはずです。

2. ECにおいても商品戦略はとても大事です。特にメーカーの場合は、自社にしかない商品を扱っているわけですから、特長を全面にアピールしていきましょう。とはいえ、自社商品だけを扱っているのでは、商品数が十分に揃わず、顧客に店舗の存在を見つけてもらえない恐れもあります。仕入れにより商品数を揃えるのも、検索などで顧客に来訪してもらうために重要な戦略となります。

3.ターゲット層にあった販促を心がけましょう。そのためには自社の対象となる顧客(ペルソナ)を定め、彼らのニーズを理解することが大事になってきます。商品画像1つをとっても、画像によって「売れる」「売れない」は変わってくるものです。自分の判断に自信がなければ、A/Bテスト(2パターンの施策のうち、どちらが効果的かを比較するためのテスト)を活用した仮説検証を行ってみるのも良いでしょう。