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事例集

「顧客目線」で商品ページ改善し売り上げ急増

企業名:
株式会社秀〆(ひでしめ)
代表者:
伊藤美明
事業内容:
正月飾り、御盆用品などの製造販売
Web サイト:
https://www.hideshime.co.jp/

会社概要

所在地:長野県飯田市鼎名古熊2104-7
資本金:2,770万円
従業員:12人
EC経験:3年
売上高:6,000万円(ECのみ)。このうち、楽天市場が約80%を占める。
・自社ECサイト:なし
・ECモール
 楽天市場
 Yahoo!ショッピング

ECに取り組んだきっかけ

正月飾りを中心に、御盆用品やしめ縄などを自社で開発し、スーパーやホームセンターに対して卸販売を行ってきた。ただ、こうした商品は市場が縮小傾向にあるので、将来に向けて新たな取り組みへの必要性を感じていた。また、卸販売だけでは生産した正月飾りの在庫が残ってしまうこともあった。2018年9月に「楽天市場」から営業の電話があったことをきっかけとして、新たな販路となるECなら在庫も効率的にさばけるのではないかと考え、出店を決めた。

ECを始めた当初課題と考えていたこと

ページ作成こそ外注していたが、その他の業務は全て担当者1人で対応していたことから、負担が重すぎることが大きな問題だった。送り状や領収書も手書き、出荷も自社で行っていたため非常に時間を取られており、こうした業務負担を軽減するため、サポートツールの導入が課題だった。そこで、まず2年目となる2019年には、「楽天市場」出店店舗向け物流代行サービス「楽天スーパーロジスティクス」の利用を開始した。商品を預けて出荷回りの業務を代行してもらうことで、業務負担がかなり軽減された。また、3年目の2020年には、「楽天市場」以外のECモールに出店したこともあり、複数のネットショップを一元管理できるツールを導入することで業務負担が劇的に軽減された。

ECの取り組み状況

○主な商品名
・正月飾り
・しめ縄
・御盆用品

○メインの出店先
楽天市場

○ターゲット
家庭用に正月飾りや御盆用品を購入する30~50代の女性。

○プロモーション方法
顧客の生活シーンに寄り添った特集を多数組んだり、初心者でも間違えないように地域別の差異が分かるようにした写真を載せたり、ページの作り込みで購入率を高めることが、楽天市場内検索の表示順位向上に重要だと考えており、検索対策に効果が出るよう工夫している。広告に関しては、RPP広告(予算内で楽天が運用する「楽天市場」内の検索連動型広告)に絞っている。正月飾りの需要が高まる12月に予算を増やしており、2021年12月は前年同月の3倍となる予算を投下した。

○運営体制
受注:2名(繁忙期は3~4名)
出荷:2名(繁忙期は3名)

EC事業開始から現在までの歩み

2018年9月に「楽天市場」へ出店した。正月飾りの需要がピークとなる12月に月商300万円となり「ECはこんなに売れるのか」と衝撃を受けた。2年目となる2019年はライバルとしてマークしていた店舗の売り上げを上回りたいと考え、自店に足りなかったデザイン性の高い正月飾りを開発して、12月には月商800万円を達成した。ただ、競合として意識していたライバル店の売り上げを上回った感触はなかった。ライバル店は出店期間が長く、商品レビューが蓄積されていて、固定客も多いという強みがある。出店期間で劣る自分たちがさらに上を目指すにはどうすれば良いかと悩んでいた。そこで2020年、「楽天市場」で実績を積み上げてきた有名店舗がリーダー店舗となり、他の出店店舗にネット販売に関するノウハウを伝授するサービス「NATIONS(ネーションズ)」に参加することにした。同サービスで、ECの基礎的な知識を身につけることができた。特に参考になったのは「画像の作り込み」と「ページの作り込み」による、「楽天市場」内の検索対策だ。同社はこれまで卸売り専門で、消費者と直接やりとりしていなかったため、「この商品を買ったら自分にどんな嬉しいことが起きるのだろう」という顧客目線が欠けていた。例えば正月飾りであれば、細部へのこだわりをページ内に明記したり、いわれを詳しく解説したりすることで、その商品の背景をイメージできるよう、画像とページの作り込みに注力した。これにより、「NATIONS(ネーションズ)」の目標である、前年同月比で月商2倍を達成することができた。さらに、2020年12月には月商1,900万円に到達し、マークしていたライバル店を上回った実感も得ることができた。

企業サイト/ECサイト

TOPページ(企業サイト)



TOPページ(ECサイト)


 

商品ページ(ECサイト)


 

ECでの工夫や自社の強みと考えていること、今後の展望など

〇ECでの工夫
例えば正月飾りであれば、玄関に飾ったときの写真をたくさん掲載することで自宅に飾った際のイメージを想起してもらったり、正月飾りのいわれを詳しく解説することで購入意欲を喚起したり、顧客目線に立った画像とページの作り込みに注力している。また、「楽天市場」が開催するセールやイベントに合わせて、クーポン配布やポイント付与率アップをしている。クーポン配布やポイント付与率アップは、店舗や商材ごとに合ったやり方があるので、自分たちに合うやり方を見つけるために試行錯誤してきた。秀〆の場合は正月飾りが必要な時期に顧客が集中するので、2021年12月に開催された大型セール時に、開始から2時間だけ使えるクーポンを人数限定で配布したところ、数分でクーポンが無くなった。新規顧客の獲得は非常に重要なので、「楽天市場」の大型セール時には販促方法を工夫している。また、商品レビューも顧客の購入を後押しするという点では非常に重要なことから、購入後にレビューを投稿した顧客には10%割引クーポンを付与するといったユーザーフレンドリーな施策を展開している。

〇自社の強み
仕入れではなく、自社で商品を開発しているため、顧客目線に立った商品を開発できることが強み。また、正月飾りは地域によって飾りのデザインがかなり異なっており、全国のスーパーやホームセンターを対象とした卸販売においては、47都道府県それぞれに合わせた正月飾りを販売しているほか、ECにおいても実施している。地域の風習に合わせた正月飾りを販売しているところは少なく、バラエティ豊かな正月飾りを販売できる点も強みとなっている。また、正月飾りを中心に扱っている「専門店」という点が顧客に安心感を与えている。「楽天市場」内での競合は正月飾りがメインの商材ではない店舗が多く、その点では優位性がある。正月飾りは縁起物ということもあり、商品に不具合があると顧客がとても嫌な気持ちになるため、従来から検品体制に力を入れており、ミスが滅多に起きない点も強み。価格も競合他社より安く、弊社がメーカーであるという点から生まれる価格メリットを活かせている。

〇今後の展望
自社や正月飾りそのものの認知を上げるための活動をしていきたいと考えている。最近は正月飾りを飾らない家が増えており、いずれは正月飾りの風習が無くなってしまうのではないかと危惧している。今後はSNSなどを通じ、若い世代に正月飾りを買ってもらうためにはどうすればいいのかを考え検討していきたい。これまでは「楽天市場」において、顧客目線でのページ作成を通じて検索上位に入ることに注力してきたが、販促効果は「楽天市場」内にとどまっているため、それだけではこれ以上売り上げが伸びていかないのではないかと思っている。SNSを活用した販促を通じて、たくさんの消費者に振り向いてもらうための活動を検討している。他業界の事例も参考にして試行錯誤し、PDCAサイクルを回していきたい。

売れ筋

商品名:選べるしめ縄9種類 モダンリース
価格:2,300円
商品名:モダンにデザインしたお正月飾り
価格:2,800円

商品名:しめ縄 材料
価格:230円

本事例からの学び

1.たくさんの店舗が出店しているECモールにおいては、露出度を高めることが重要です。ECモール内の検索において上位に表示されることが、消費者に自店の存在を知ってもらうための近道となります。そのために重要なのが「顧客目線」に立った「画像の作り込み」と「ページの作り込み」です。顧客を意識した商品紹介を行うことで購入率を高めれば、ECモール内の検索順位上昇が期待できます。ECモールが主催する企画に参加したり、ECサポートツールを提供する企業などが開催するセミナーに参加したりすることで、先駆者や専門家などからノウハウを学びましょう。また、仕入れではなく自社で商品を開発している場合は、顧客目線に立った商品の開発を心がけましょう。

2.クーポン配布やポイント付与率のアップは、消費者に商品を購入してもらうための手法として非常に有効ですが、それ相応のコスト増となります。例えばクーポンなら、割引率が低すぎると効果はあまりありませんが、逆に高すぎると大きな赤字を生んでしまいます。クーポンの配布枚数、ターゲット、割引率など、自店にとってどんなクーポンを配布すると最も費用対効果が高いのか試行錯誤してみる必要があるでしょう。

3.受注や発送といったバックヤード業務が大きな負担となっているのであれば、受注管理システムを導入したり、物流のアウトソーシングを検討したりするのも良いでしょう。物流のアウトソーシングに関しては、ECモール側でサービスを用意しているケースもあります。こうしたサービスをうまく活用することでスタッフの業務負担が減り、販促に集中できるようになれば、売り上げの向上も期待できます。