販路拡大・新規顧客の獲得ができたからこそ、次のステージへ果敢に進む
(中小機構のEC活用支援事例)
- 企業名:
- 株式会社アツマル水産
- 代表者:
- 道又和寿
- 事業内容:
- 水産業の卸販売、水産加工品のネット販売の他、実店舗「カラメル雑菓店」および羊ヶ丘展望台、催事などでお焼きやソフトクリームの実演販売等、幅広く展開している。
- Web サイト:
- https://atumaru.co.jp/suisan/
企業紹介
所在地:北海道札幌市北区新琴似二条2丁目7番10号
従業員数:3名
資本金:500万円
事業の詳細は以下をご参考ください。
はじめに
「北海道の食産業に携わる者として使命を認識し、地域社会の発展に貢献を」そんな想いから水産業の加工販売と卸販売からスタートした株式会社アツマル水産は、飲食業、菓子製造販売、ネット販売、輸出事業と拡大しながら、順調に成長してきました。メイン事業である卸販売は仲卸業者をはさまず、鮮度の高い海産物をスピーディに適正価格で届けることで全国の飲食店で高い評価を得ていましたが、コロナ禍によって売り上げは大きく減少しています。幸い、大手ECモールに出店していたため、BtoC事業を強化して新たな柱にすべく見直すことに。生産者を守りながら会社の発展をめざす、代表取締役社長の道又和寿氏にECサイトとの関わり方や、これからの事業展開についてお話を伺いました。
商品名:釧路町仙鳳趾産 不揃いの牡蠣たち(4㎏)
この事業に応募したきっかけを教えてください。
コロナ禍で売り上げが前年度の約5割も減少してしまいました。ただ、10年程前から運営していた大手ECモールでの売り上げは横ばいで、さほどコロナ禍の影響を受けていないことに気づきました。もともと、個人消費者へ販路を広げたいと考えてECサイトをスタートさせた背景があるので、現状の見直しも兼ねて、もう少し力を入れてみようと考えたのです。
この事業に参加して、よかったこと・得られたことはありましたか?
集客効果があり、販路を拡大できたことです。「いいものエール」として、Yahoo!ショッピングのトップ画面に広告を出稿していただけた結果だと思います。集客のために、中小企業が単体でweb広告の出稿をすることは金額的に難しいですから、ありがたいですね。「いいものエール」への出品は終了しましたが、新たに得た顧客の方々に継続して購入いただくために、他店と差別化した商品を構成する必要があると感じました。
出店者向けセミナーにもご参加いただきました。
「ECモール出店・運営の基礎知識と各モールの特性」セミナーに参加しました。ECモールに出店して10年経っていたので知見はありますが、自分たちのやり方がベストではないはずなので、最近のECのトレンドや技術、検索のアルゴリズムを学びたいと思ったのです。新たな知識を得られたことはもちろんですが、同時にわたしたちが手探りながら進めてきたECサイト事業やビジネスの考え方は間違っていないと確認できたことも有意義でした。また、本事業は生産者や事業者のことを考えて行われていることを感じられるセミナーでもありました。
ECモールの活用法について、改めて感じたことがあったら教えてください。
大手ECモールの集客力は圧倒的ということです。中小企業が自社でECサイトを作っても、認知度が低く、集客活動にも限界があると思います。大手ECモールは手数料などがかかるため出店を躊躇する事業者も多いですが、広告や販促活動などわたしたちにはできないことを提供してくれます。今回、「いいものエール」に参加して、写真の見せ方やキャッチコピーの付け方など、わかりやすく表現するプロならではのテクニックにも感心しました。この学びを元に、大手ECモール内の自社ショップを全面リニューアルする準備を行っています。わたしたちのような中小企業ほど大手ECモールを上手に活用することで、BtoC事業をもっと拡大できるだろうと、改めて感じました。
今後の展望について教えてください。
まずは、少しずつ稼働し始めている飲食店に合わせて卸販売を元通りにすることです。同時に、大手ECモール内の自社ショップをもっとお客様にわかりやすくなるようリニューアルし、BtoC事業も強化していきます。国内のみならず、越境モールを活用することも視野に入れています。今回のコロナ禍で、事業の柱は多いほうがよいと実感しました。それぞれの事業が支え合って、会社を発展させていきたいと思います。