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ebiz 中小企業のためのEC活用支援
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事例集

後ろ向きにならず、チャレンジを!新たな知識で、新たな売り上げを生み出す
(中小機構のEC活用支援事例)

企業名:
旬や ていじ
代表者:
齊藤猛
事業内容:
居酒屋経営、移動販売、小売販売
Web サイト:
https://teiji.base.shop/items/32438246

企業紹介

所在地:徳島県美馬市脇町字拝原238-1
従業員数:3名

モール活用型ECマーケティング支援事業(中小機構のEC活用支援)に出品した成果をお聞きしました。
事業の詳細は以下をご参考ください。

はじめに


店主である齊藤猛氏の生家は、100年続く老舗仕出し屋。子供の頃、魚をさばく祖父の姿に憧れ、進路を飲食業に決めたのは自然なことだったといいます。ホテルや大手飲食チェーンなどで研鑽を積み、満を持して2014年に徳島県美馬市に“地元食材”と“旨い地酒”をメインとする居酒屋「旬や ていじ」をオープン。地元の人たちに愛され、安定経営をしていたところに襲いかかったのが新型コロナウイルス感染症でした。言うまでもなく、コロナ禍において甚大な影響を受けた飲食業界ですが、齊藤氏は既に移動販売も行っていて地元では広く知られたお店の看板メニュー「ゆず薫る『がいな黄金唐揚げ™』」に希望を託し、事業を立て直すことを決意。ECサイトを活用した小売業という新事業に踏み出した当時の状況と、これからについてお話を伺いました。
 

商品名:「ゆず薫る『がいな黄金唐揚げ™』」調理済みタイプ400g


阿波弁で「がんこもの」を意味する「がいな」を商品名にしたとおり、素材はもちろん調理法にもこだわった逸品は、徳島産ゆず果汁に同じく徳島産鶏の胸肉を漬け込み、しっとりジューシーでさっぱりとした口あたり。唎酒師である齊藤氏が考案した日本酒に合う唐揚げとして、「からあげグランプリ中日本しょうゆダレ部門」にて、徳島県の出店者としては初の連続金賞も受賞。調理後に急速冷凍、真空パック加工しているため、レンジで温めてからオーブンで軽く焼くだけで、揚げたてを再現できるのも人気の理由。
 

この事業に応募したきっかけを教えてください。

ご存じのとおり、飲食業界はコロナ禍で非常に振り回されることになりました。20204月~5月までは徳島県の要請による時短営業時の売上は、ほぼゼロに近い状態でした。しかし、新型コロナウイルス感染症が発生する前の2月から日中の仕出し弁当や、店の看板メニューである「ゆず薫る『がいな黄金唐揚げ™』」を道の駅や地元のイベントなどで移動販売をしていたことが不幸中の幸いでした。居酒屋以外の業態を始めたのは、お店が繁華街から少し離れており、地元の常連さんたちで成り立っているため、このまま居酒屋としてだけでは先行きが不透明と感じていたからです。移動販売などのおかげで、なんとか2019年度の売上の1/3程度は確保できていましたが、先行きが不安なのは変わりませんでした。まず、助成金を利用して店のホームページを立ち上げ、唐揚げ等を購入できる仕組みを作りましたが、なかなか思うようにいかず途方に暮れていました。そんなとき、たまたまFacebookでこの事業を知り、応募をしました。

ECサイトでの小売業が、売上の補填以外に重要と考えた理由はありますか?

コロナ禍が終息しても、居酒屋は以前のような利用をされない可能性が高く、売上も戻らないと覚悟をしています。新しい個人飲食店の経営スタイルとして、居酒屋とは別に小売販売・持ち帰り専門店へと事業転換していく必要があると考えていたので、その手段のひとつとしてECサイトでの販売ノウハウを知りたいと思いました。

この事業に参加して、ECサイトに関する知識や経験は深まりましたか?

自社サイトを持っていながらインターネット関連についての知識はほぼゼロだったので、専門用語や仕組みなどECサイトの基本についてはもちろん、すべてが勉強になりました。また、定期的に関連セミナーが開催されたので積極的に参加し、SEO対策など多くの人に見てもらうためテクニックなど幅広く学びました。これまでなんとなく使っていたツールにもすぐれた機能があることを知るなど、驚きばかりでしたね。「いいものエール」は学ぶ機会も与えてくれ、得た知識は自社サイトを見直したときや日々の運営にも役立っています。

この事業に参加してよかったことを教えてください。

「いいものエール」で「ゆず薫る『がいな黄金唐揚げ™』」を購入し、気に入ってくれた方々が当社のECサイトを通じて継続購入をしてくれていることです。いまではECサイト事業の売上が全体の3割を占めるほどに。いくら自信のある商品でも知ってもらわないと売れません。いいものエールで多くの人に知ってもらえたことは単純にうれしく、同時に認知度を上げる必要性を思い知らされたのも、いい勉強になりました。また、実際にサイト運営をしたことで、「作り手の想いを伝えるために、商品説明はくわしいほうがよい」などの反省すべき点や、やりたいことが明確になったのもよかったです。やはり、やってみないと見えてこないものがありますね。3ヵ月という短いスパンなので、それらを次のステップに反映しやすいのもECサイト初心者にはありがたいと思います。

ECサイトの可能性について感じたことがあったら教えてください。

居酒屋の新たなスタイルとして、仕出し弁当や移動販売などを行いましたが、わたし自身が行ける場所のみとなり、物理的にも時間的にも限界もありますよね。でも、ECサイトなら全国各地の人たちに購入していただけて販路が広がるし、そこからいろいろなチャンスが生まれる可能性があると感じました。

今後の展望について教えてください。

 「いいものエール」への参加をきっかけにECサイトで販路が広がることを実感しましたが、同時にわたしたちのような食品販売は実際に食べていただき、知ってもらう場も欠かせないとも感じました。そこで今後は移動販売やイベントで実食していただいた後、実際に購入する場としてECサイトがあるのがベストと考えています。そのため、自社サイトとは別に大手ECモールにも出店する予定です。リアル店舗とECサイトの長所を上手くリンクさせて、事業を拡大していくことを目指します。

(参考)モール活用型ECマーケティング支援事業(令和2年度~令和4年度実施)

 新型コロナウイルス感染症拡大により業績に影響を受け、非対面型販売に積極的に取り組もうとする中小企業者を対象に、堅調に拡大するEC市場への参入を支援するために措置された事業です。月額の出品費用などを中小機構が負担し、費用負担は売り上げに応じたECモール手数料及び商品代金の振込手数料のみで、ECモールへの出品を経験することができます。 
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