本文へ移動

ebiz 中小企業のためのEC活用支援
ポータルサイト【ebiz】

ここから本文です
事例集

丁寧な商品作りでファン獲得、安定成長へ

企業名:
ブーケブランシェ
代表者:
佐藤典子
事業内容:
プリザーブドフラワー等フラワーギフト関連商材のインターネット販売
Web サイト:
https://www.bouquetblanche.com

会社概要

所在地:愛知県名古屋市名東区猪子石原1-1407
資本金:300万円
従業員:13人(繁忙期の臨時パート従業員含む)
EC経験:2007年から楽天市場に出店し、EC事業を本格化。
2017年からYahoo!ショッピングに出店している。
2019年頃からAmazon、2020年からauPayマーケットにも出店し、商品を順次登録中。
売上高(2020年):2020年8月期実績で7000万円。2021年8月期は9300万円となる見通し。
出店モールでの実績:月間販売数は1000~3000件。全体の売り上げシェアは、楽天市場が約65%、Yahoo!ショッピングが約35%。2018年8月度の「楽天ショップ・オブ・ザ・マンス」で ジャンル賞受賞。
自社ECサイト:なし
ECモール:
 楽天市場:https://www.rakuten.co.jp/bouquetblanche/
 Yahoo!ショッピング: https://store.shopping.yahoo.co.jp/bouquetblanche/
 Amazonマーケットプレイス: https://www.amazon.co.jp/gp/browse.html?me=A2JIYBFPSQOHIT
 auPAYマーケット:https://wowma.jp/user/55246701

ECに取り組んだきっかけ

勤務していた生花店でウェディング向けブーケや結婚式場用の飾り付けを担当していたが個人事業主として2002年に独立。ウェブサイトを開設して、ウェディング向けブーケの注文を受け、オーダーメイドで制作、販売などを行う事業を開始。その後、しばらくは同事業を軸に展開してきたが、今後の事業の収益性を考えた結果、先に独立した前職の先輩がプリザーブドフラワーのECで成功していることなども聞き、EC事業への参入を決意、楽天市場に出店した。

ECを始めた当初課題と考えていたこと

個人事業主として企業のホームページ制作を請け負う事業を行っていた夫の支援もあり、ECサイト制作などの知識はあったものの、販売に関するノウハウがあまりなかった。そのため、ECモールに出店してから数年は売り上げを上げていくための方法、特にユーザーの効率的な集約方法を身に付けることが、ECを始めた当初の喫緊の課題であった。

ECの取り組み状況

○主な商品名
・フルール・グラン(プリザーブドフラワーの花束)
・フルール(プリザーブドフラワーの花束)
・アンティークなアイアンスタンド(プリザーブドフラワーアレンジメント)

○メインの出店先
楽天市場、Yahoo!ショッピング

○ターゲット
30~50代の女性

○プロモーション方法
ECモールの商品検索の検索結果で自社商品が上位表示されるための対策に注力。商品名に検索されやすい特定のキーワードを入れるなどの対策を行いつつ、月間の広告費は数万円に抑えながらも検索関連の広告も活用。Yahoo!ショッピングでは商品検索順位に影響する「販売促進の料率設定」や検索連動型広告「ストアマッチ」、楽天市場では検索連動型広告「RPP広告」を活用している。ただ、クリスマス、ホワイトデー、母の日、敬老の日などイベント時には商品検索よりも、モール内広告からの集客力が高いため、そうした場合には特集ページなどに表示されるバナー広告にも一定額を出稿する。また、ECモールが主催する大規模セールなどの販促イベントには積極的に参加している。

○運営体制
サイト運営:2名
商品仕入れ:1名
商品制作:2~4名
商品の包装:1~2名
商品の梱包・発送:1~2名

EC事業開始から現在までの歩み

2007年に楽天市場に出店後、1~2年目までは売り上げが伸びなかった。その後、外部のセミナーなどに積極的に参加し、楽天市場での効果的な集客方法などを学んだ。あわせて楽天市場の営業担当者との連絡を密に取ることを心掛け、関係性を深め、売り上げの拡大につながるECモールでのトレンドなどの情報を得たり、効率的な集客のための助言を受けた。一環として広告の活用などを始めたところ、その年の売上高が昨年対比で5倍に急伸。それにより、楽天市場内での広告にさらに予算がかけられるようになり、売り上げが安定的に伸びるようになった。その後、販路拡大のため、2017年からYahoo!ショッピングへも出店。販売手数料が無料ということもあり、出店後、しばらくは商品を掲載し、販売するのみにとどめていたが、伸びシロを感じて一念発起。2018年頃から、営業担当者とも連絡を積極的に取るようになり、広告なども活用して商品検索周りを中心に、集客を強化するなどで売り上げを伸ばすことができた。2020年はコロナ禍の影響を受けて、売り上げが半減する月もあったが、母の日などイベントでの売れ行きは例年以上に伸びた。直近の売上高は前年対比で1.5倍程度で推移している。

ECサイト

トップページ



  

商品ページ



ECでの工夫や自社の強みと考えていること、今後の展望など

〇ECでの工夫
・ギフトとして商品を贈られた人が、贈ってくれた人にお礼をする際に使用できる花束など写真を掲載したオリジナル葉書(=写真)を商品に必ず同梱。お礼状としてユーザーレビューでも好評なほか、お礼状として使用しない場合も、華やかで綺麗なデザインのために保存率が高いようで、ギフトを贈られた人が葉書記載のブーケブランシェのURLを見て顧客になることも多々あるなど宣伝効果も生んでいる。

〇自社の強み
・商品力が強み。プリザーブドフラワーは通常はアレンジメントがメインだが、当社の売れ筋は制作に手間がかかり、あまり他社で販売されていない花束であり、かつ上品で落ち着いたデザインやボリューム感のある商品作りを心掛けており、コアターゲットである30~40代女性にファンが多い。また、商品は資格・経験豊富なスタッフが大量な作り置きはせず鮮度のよい綺麗な状態で長く楽しんでいただけるよう、1つずつ丁寧に商品をデザイン・制作。ラッピング、梱包には専属スタッフが細心の注意をはらい、トラブルがないよう常に鮮度のよい状態で発送している。

・オリジナルの商品がメインのため、仕入れ品のような価格競争をしなくてもよい。顧客の購入判断基準も商品ありきで価格が第一ではないため、値引き販売なども極力行わず、原材料の価格変動に合わせて商品価格への転嫁も行なえている。それでも売れ行きに大きな影響はなく、平均客単価も6000~7000円程度と高い水準を維持できており、事業面でも安定している。

〇今後の展望
現状の課題は受注処理や顧客対応などオペレーション業務効率化。特に母の日などの繁忙期には処理が追い付かず、受注を止めざるを得ないこともあり、販売機会を失うこともある。導入中の受注システムの運用やオペレーションの建付けを変えるなどで効率的に作業を効率化していく。当面、楽天市場とYahoo!ショッピングに集中して、両モールでの売り上げ拡大を進めたい。今期(2021年8月期)の売上高は前期比3割増の1億2000万円を目指したい。

売れ筋

フルール・グラン
5500円(税込)

フルール
3980円(税込)

アンティークな
アイアンスタンド
5500円(税込)

本事例からの学び

1.顧客の配達希望日に商品を届けることはどのような商品でも大事ですが、特に誕生日や記念日に贈るギフト商品は顧客の配達希望日までに届けることが必須であり、EC事業者が守らなければいけない最も重要な約束事です。ただ、どんなに担当者が確認をしてもミスが生まれることがあります。受注データを活用して、配送会社の送り状作成へ落とし込むようなシステムを運用している場合でも、一部作業に人の手が加わるような場合には変換ミスなどが起こる場合もあります。ギフト商品を取り扱う場合は、基本的なことですが、確実に決められた日までに配送できるよう出荷漏れはないか、出荷作業は適切に進んでいるかなどを複数の担当者でダブルチェック、トリプルチェックを行いましょう。

2.ECモールに出店する事業者にとって、ECモール内でいかにユーザーを自社ショップに効果的に集客できるかが売り上げ拡大のために大切な要素です。まずは最も効率的な集客ができる商品検索を意識して、検索周りの広告を活用してみましょう。多額の広告費を使わなくても月数万円程度からでも十分に効果はあります。また、ECモールが推している広告は様々な面で優遇されており、効果的なこともあります。各種の広告を試しながら、より費用対効果の高い広告商品やより効果的な広告の運用のやり方を学んでいきましょう。

3.ECモールの上位出店者や優良出店者ほどECモールの営業担当者と深い信頼関係を築いていることが多いです。つまり、売り上げアップのためにはECモール担当者との関係作りが重要です。「なかなか連絡が取れない」「広告出稿を勧められる」など営業担当者との関係に悩むよりも、自ら連絡を積極的に取り、成功店舗の事例や効果のある集客策など有用な助言や情報を得ることができる関係に変えていくアクションを起こしてみましょう。当社でも担当者とのかかわり方を変えてそうした行動を起こしたことで売り上げが大きくアップしたようです。

4.他社でも購入することができる仕入れ商品ではしばしば価格競争が起こり、差別化のため過度な価格訴求で利益を圧迫しがちです。しかし、当社が販売しているようなハンドメイド品など「ここでしか買えない」というオリジナリティの高い商品は、当該商品自体に魅力がありさえすれば、価格競争とは無縁で、安定した利益を確保することができます。仕入れ商品をメインに販売している事業者でも、オリジナリティの高い商品をいくつか考え、販売するようにしてみると経営の安定につながるかもしれません。
ECポケットガイドのバナーを閉じる
ECポケットガイドを開く