事例集

越境ECで畳業界の一番手を目指して(平成27年度中小企業越境ECマーケティング支援事業、29年度モール活用型ECマーケティング支援事業)

企業名:
株式会社TATAMISER
代表者:
淡路光彦
事業内容:
畳関係商材の製造、販売
Web サイト:
https://tatamiser.co.jp/

企業紹介

・所在地:大阪府
・資本金:600万円
・従業員:2名

(取材日:2019/04/26)

(公開日:2019/10/11)

越境ECに取り組んだきっかけ

畳の需要は少子高齢化、人口減少社会において日本国内需要が日に日に減少しており、海外販売をしないと成長はないと感じたこと、海外在住日本人からの注文が入ったこと、海外からの問合わせがあること、中小機構の補助事業や専門家支援事業を知ったことで、越境EC事業に取り組む環境が整ったと判断し実施した。同時に日本の畳業者で海外販売で成功事例を聞かないこと、機構専門家から伺った越境EC成功事例も一番手を狙った素早い事業開始で成功しており、畳業界での一番手を目指し、実施にいたった。

 

海外で想定される強み

海外からの注文はオーダーメイド型の畳が多いため、サイズオーダーで注文できることをSNSやブログにも掲載することでSNS経由で海外からの問合わせを増やすコンテンツマーケティングが強みとなっている。い草が苦手な方には別素材にアレンジしたり、日本で販売されないカラフルなカラーの畳を提供するなど競合他社との差別化を実施している。またYouTube動画を作成し畳の使い方や製造方法だけでなく、実際に購入した方からの活用事例を紹介したり海外での畳の敷き方やその様子などを発信することで海外認知度を高め、現地ニーズを知り、ローカライズを行いPDCAを繰り返して常にニーズにマッチした販売を行っている。

 

自社のリアルでの強み

もとはリアルの畳屋向け材料卸が生業だが少子高齢化人口減社会の到来により国内販売だけでは立ち行かなくなることを見越して通販専門会社として運営。依頼があれば和室のない部屋にも気軽に畳が設置できるオーダーメイド販売が可能で、且つ製造から販売までワンストップで提供できることから価格、納期の面で他社よりも優れている点が強みである。オーダーメイド商品と既製品との組み合わせにより、様々な使い方が自由にできる。近年海外でのペット市場が拡大しているためペット用畳も販売するなどで競合にはない独自の商材を取り扱っている。

 

越境ECの計画(補助事業申請時)・実績

【計画】

<海外経験>

<取扱商品>

置き畳・上敷き・畳縁小銭入れ・猫畳

<主なターゲット国

米国・シンガポール・フランス、イギリス

<ターゲット>

‐日本文化に興味のある30代〜40代

‐日本の旅館などで畳の上で宿泊経験がある人

‐日本のインテリアに興味がある30代〜40代女性

<出店サイト>

モール出店(Amazon、eBay)

独自ドメイン出店

<プロモーション方法>

代理店の有無:有

‐Google(リスティング広告)

‐Facebook(バナー広告)

代理店の有無:無

‐Facebook(商品の投稿)

‐Twitter(商品の投稿)

‐YouTube(商品の投稿)

<運営体制>

モール運営:自社1名

商品管理:自社1名

顧客対応:自社1名‐メール対応

<発送方法>

直送モデル(サービス名:EMS, DHL)

 

【実績】

<出店サイト>

URL(Amazon.com):

https://www.amazon.com/s?me=A2SXN8X3SI1XRM&marketplaceID=ATVPDKIKX0DER

URL(eBay):

https://www.ebay.com/str/TOKYO-TATAMI-Maker?_trksid=p204 7675.l2563

URL(独自ドメイン出店):

https://japanese-tatamimat.com/

<出店開始>

2016年12月(独自ドメイン)

2017年1月(Amazon.com、eBay)

 

 

越境ECの課題・対策

<越境EC出店時>

越境ECに出店する際の体制が代表者1名のみで、且つ予算が限られていたことから、ECモールや決済アカウントの取得、YouTube動画作成、ブログ更新、Facebook、Twitterのコンテンツマーケティング、リスティング広告など全ての業務を代表者自身で実施した。

当初、EC運営の知見がなかったため、中小機構のEC専門家に相談したり、越境ECセミナーやイベント等で情報収集をしながら事業を進めていった。その中で、大量出品の場合の作業において課題があり、民間支援業者に一部業務を委託して出品を実現させるなどの対策を行った。

 

<越境EC運営時>

運営に関しての課題は自身で作成している動画、ブログ、SNSコンテンツなどの英語対応(翻訳)。

対応に時間がかかってしまったため、発送業務やお客様対応への時間が取りにくくなってきたことから、今後は外注も積極的に活用することも検討している。また、金額の大きい取引について質問が入るケースがあるが、その場合には電話でのコミュニケーションを積極的に実施してカゴ落ちを防ぐ努力をしている。

購入後の「とてもよかったです!」などのお客さまレビューも掲載するようにしている。

アメリカ、イギリス、ドイツ、イタリア、UAEなどの顧客が増え、同時に畳の購入だけでなく、入替作業を依頼されることも増えたり、畳をDIYで修復する方も急増しているため、生業であった畳の素材や材料も越境EC販売したところ売れはじめた。ネット通販で重要な、購入された方へのプレゼントとして畳の縁で作成した小物入れとThanksレターの両方を挿入し「おもてなし」対応にも力を入れ、競合他社との差別化とリピーター戦略をPDCAを繰り返しながら実施している。越境ECに関する取引は増えてはいるが、これといった運用中のトラブルはない。

 

今後の越境ECの方針

海外向けのブランディングを強化したい。海外で畳は『TATAMISER』と言われるようにしていきたいと考えている。和室ではない部屋にも簡単にフィットでき、外国人に好まれるデザインや色合い、素材やサイズをさらに研究して販売するためにPDCAは徹底して繰り返し実施していく。国によりい草が輸入規制となる場合があるため、別素材を豊富に用意したり、ペット用畳など競合にない独自商材を今後も展開していきたい。

また、中小機構の専門家から越境ECに強い商材とコラボする事例を紹介され、その後畳とコラボしやすい商材として、甲冑を海外に年間数千万円販売している成功事例を紹介されたことを受け、畳と甲冑のコラボを視野に入れている。

現状、人的リソースが不足しているため、高額品しか対応できていないが、もう少し手頃な価格の商材や畳素材を使ったお土産品などの展開もしたい。そのため、機構専門家から紹介のあった外注(在宅ワーカーやフリーランサー)を活用する方法で人的リソース不足を補い、大きく売り上げを飛躍させていきたい。

専門家:山田彰彦

 


平成27年度中小企業越境ECマーケティング支援事業とは

環太平洋パートナーシップ協定交渉参加国を主たる対象として新たに越境ECサイトを出店または構築する中小企業者に対して、「越境ECサイト出店・制作費用(越境ECサイト出店初期費用、越境ECサイト制作費、翻訳費、コンテンツ制作費)や越境ECサイトプロモーション費用の補助」、「越境EC専門家によるアドバイス」、「現地テストマーケティング(シンガポール、米国(ニューヨーク))、イベントの開催」などのサービスを提供しました。

 

平成29年度モール活用型ECマーケティング支援事業とは

モール活用型ECマーケティング支援事業では、中小企業者のEU加盟国への販路開拓の取り組みを支援するため、「越境ECモールへの出店にかかる費用等の補助」、「越境EC専門家によるアドバイス」、「特設サイト及び現地店舗を活用したテストマーケティングイベントの開催」などのサービスを提供しました。