PAIKAJI
~こだわりのアロハシャツを
ECで全国に届ける~

PAIKAJI
キーワードブランディング
差別化オリジナル、技術力、高級路線
集客口コミ、海外展示会
ターゲット観光客
特徴オリジナル、高級路線
実店舗あり
出店タイプ独自ドメイン、楽天市場、Yahoo!ショッピング

創業からアロハシャツを作るまで

有限会社ジュネは、沖縄が日本に返還される前の昭和42年に沖縄の地で創業し、昭和57年に会社を設立した。

創業当時、日本の本土から物を仕入れるには、税関を通さなくてはならず、米国のトレンドは入ってきても、日本のトレンドが入ってくる機会は、多くなかった。このような状況下で、同社の創業者で、現在取締役会長を務める石川洋子氏は、日本、とりわけ東京で流行している衣服を、沖縄で作って売ったら、みんなに喜んでもらえるのではないかと考え、平和通りに婦人服のブティックを開いた。元々、地元の学校を卒業後、東京の服飾専門学校に通った洋子氏は、デザインからパターン、縫製など、一通りの洋裁スキルを有していた。沖縄で生地を仕入れ、日本のトレンドを取り入れて、オーダーメイドで服を作る。これが大当たりし、お店は繁盛した。

昭和47年に沖縄が日本に返還され、その本土復帰記念事業として、昭和50年に沖縄国際海洋博覧会が開かれた。これを契機として、沖縄では急速に開発が進み、大型ホテルや観光施設が次々と建てられた。また、観光で地場産業を活性化させようという機運が高まり、洋子氏も、先進地ハワイへの視察団に参加した。そして、自分たちで何ができるかを考えた時にアイディアとして出てきたのが、アロハシャツの沖縄版だった。


アロハシャツのブランディング化

平和通りのブティックは、地元の婦人らが主要顧客だったが、新たに始めた沖縄版アロハシャツは当初、消費者向けに直接販売することはなく、県内のリゾートホテルに土産品として卸したり、企業やホテルの制服として販売していた。そんな中、平成8年に洋子氏の娘・琴子氏の夫で、現在同社社長を務める吉田康秀氏が入社する。

康秀氏は、新潟で生まれ育ち、その後、東京のアパレルメーカーで、デザイナーとして働いていた。同じ会社でパタンナーとして働いていた琴子氏と出会い、結婚。バブルがはじけ、世の中が不況の波に飲まれていた頃、自分がこれから何をやるべきかを思いめぐらし、沖縄でもう一度、自分のライフスタイルについて考えてみようと、勤めていた会社を辞めて、琴子氏と沖縄に移住し、ジュネに入社した。

入社してから3年、康秀氏は、新たなアロハシャツブランドの立ち上げに着手する。きっかけは、友人の結婚式で訪れたハワイだった。ハワイのアロハシャツ専門店の数の多さと、高価格帯で売られる実態を目のあたりにして、康秀氏は、それまでジュネが培ってきた技術とノウハウを活かしたアロハシャツのブランディング化を考えた。そして誕生したのが、「PAIKAJI」である。


主力ブランドへと成長していくPAIKAJI

PAIKAJIのターゲットは、最初から観光客など県外の客だった。多くのメーカーが、地元客を対象とした手頃な価格帯の商品を出す中、PAIKAJIは、デザインや素材、縫製にこだわり、高価格帯の層で展開した。次第に社内でのPAIKAJIの比重が高まっていく中で、ブランドの立ち上げから10カ月後には、既存のブティックを閉めて、国際通りにPAIKAJIの路面店をオープンした。

その頃、時期を同じくして、東京ビッグサイトで行われたギフトショーに出店した。また、都内の百貨店に売り込みをかけたところ、タイミング良くPAIKAJIを取り扱ってもらえることになり、一気に知名度を上げることになった。購入希望者からの問い合わせが増え、それに対応するため、康秀氏は、ECサイトの開設を決意する。


ECサイトの開設とさらなる展開

PAIKAJIのECサイトを設置するにあたり、WEB制作は県内の外部業者に依頼した。こだわったのは、リゾートを意識したページデザインにすること。沖縄からみた沖縄らしさではなく、観光地としての沖縄のイメージを強く打ち出した。また、取扱商品であるアロハシャツの特性上、プリントデザインが購入の決め手の1つになるため、それをはっきり見せるというところにも力を入れた。平成17年には、ECの担当者を配置し、SEO対策やリスティング広告も行った。

売上を順調に伸ばす中、康秀氏は、自身のイメージするアロハシャツ製作実現のため、自社が沖縄県内に持つ縫製工場を縫製会社リオビアンコ(福島県白河市)に譲渡することにした。リオビアンコは、多くのセレクトショップのドレスシャツの縫製を手掛ける会社で、ジュネはそれまでも縫製の技術指導を受けていた。そこに工場を譲渡して技術力を上げ、業務提携という形で、引き続きPAIKAJIの縫製をお願いすることで、自社の生産性を高めることを期待した。

また、これが当初想定していなかった新たな展開にもつながった。リオビアンコの工場には、セレクトショップの担当者がよく訪れるが、ある時、高級セレクトショップの社長から、イタリアフィレンツェで開催されるメンズファッションの展示会「Pitti Immagine Uomo」にPAIKAJIとして出展してみてはどうかと勧められる。多くのバイヤーは、商品化(MD)計画を立てる前に、欧米の展示会で次年度のトレンドを確認する。そこにPAIKAJIがアロハシャツを出展することで、流れを作ることができるというのだ。早速、県の助成金を活用して出展してみると、実際に世界中の感度の高いバイヤーやファッション雑誌の編集部の記者らが多数来場し、これを機にPAIKAJIの露出はさらに増えていった。


PAIKAJIの世界観を伝える工夫とこれから

海外の展示会に出展するようになって、国外からの注文や商品の照会も入ってくるようになった。これに対応するため、PAIKAJIの英語版BtoBサイトを立ち上げた。ところが、サイトが重く、読み込み速度が遅いこともあり、なかなか機能できていないのが、もっぱらの悩みどころである。これらについては、今後何らかの改善を図っていきたいと考えている。

現在、同社のECサイトは、営業企画部の平安座圭太氏が担当しているが、担当になるまでは、ECに関する知識はほとんどなかった。そこで、国や地域の支援機関が開催する勉強会やセミナーに参加したり、先進的な企業のサイトを参考にしながら、日々勉強を続けている。現在、PAIKAJIの会員数は、全国に7,000名近くいるが、サイトを通じて、PAIKAJIの世界観をいかに伝えていくかに力を注いでおり、定期的にメルマガを送ったり、ブログ、Facebook、インスタグラム、LINE、Twitterなどでの情報発信にも取り組んでいる。

康秀氏がジュネに入社してから20年。当時に比べ、アロハシャツの市場は確実に拡がった。今後は、その裾野をさらに拡げるため、消費者向けに、アロハシャツの着こなしの提案をしていく。

企業概要

運営会社:有限会社ジュネ
代表者:代表取締役 吉田 康秀氏
住所:沖縄県豊見城市翁長537-15
業種:衣料品製造・卸・小売業
取扱商品:アロハシャツ、かりゆし、企業ユニフォーム
主力商品:アロハシャツ、かりゆし

ジュネ 吉田社長(右)と
EC担当の平安座氏(左)