Bento&co
~ターゲットにあわせて構成を変えた
ECサイト~

Bento&co
キーワード越境EC
差別化多言語対応、消費者目線でのサイト作り
集客SNS、実店舗
ターゲット外国人
特徴多言語対応、弁当文化の発信
実店舗あり
出店タイプ独自ドメイン

京都から90ヶ国の顧客に販売する越境ECサイト

Bento&coを運営する株式会社BERTRAND(ベルトラン)は、EC事業で欧米を中心とした約90ヶ国に商品を販売する京都の小さなベンチャー企業である。主力の弁当箱をはじめ、箸や巾着といった弁当関連商品、加工食品等、約1,000点を販売している。


大好きな日本の文化と商品を活用した創業

フランスのロワール県サンテティエンヌ出身のベルトラン・トマ氏は、日本の文化や自然に興味があり、京都大学に留学した。大学卒業後は一旦帰国したものの、「何か日本で仕事をしたい」と再来日し、起業のチャンスをうかがっていた。在学中から発信していた京都での生活を紹介するブログは、母国フランスで人気があり、当時800人を超えるフォロワーがいた。ある日、フランスに居る母親から「日本の弁当レシピを掲載した雑誌記事がフランスで話題になっている」と聞いたことが創業動機になる。それは、在仏日本人女性がブログで紹介した弁当のレシピが記事になったものだった。しかし当時のフランスでは、あまり日本独自の食器の弁当箱は市販されていなかった。ベルトラン氏は、日本の弁当箱を、日本からECで輸出販売することに商機を見出し、2008年11月、フランス人の友人と共同で、フランス語ECサイトBento&coを開設した。開業資金が少なかったため、約10アイテムほどの商品からのスタートだった。

小さなEC事業を支えたのはブログのフォロワーだった。ECサイトは口コミで広がり、徐々に取扱いアイテムも販売数量も増やしていく。当時フランスでは、リーマンショックで景気が後退し、外食を控える風潮にあったことも時流に合い、雑誌や新聞のマス媒体に紹介され、好調な事業スタートをきった。


消費者のニーズに合わせる

Bento&coのサイトは、カナダのプラットホーム・サービスを利用して制作している。ECサイトに特化したシンプルなページ構成になっており、欧米市場で広く普及しているプラットホームだ。

同社のサイトが支持される理由のひとつが、消費者目線での商品説明や画像、コピー内容である。弁当箱の説明では、商品の価格や機能を強調するだけでなく、消費者の使用感、サイズや仕様、手入れ方法、メーカー紹介等について各国言語で説明をしている。また、環境ホルモンを含まない成分素材や耐熱・耐冷性等、各国の消費者保護制度に沿って、消費者が知りたいと思われる情報を記載している。商品画像はメーカー提供のものを使用せず、顧客が理解しやすいアングルと感性で自社撮影しており、商品サイズをわかりやすく伝えるため、玩具のレゴRブロックと並べて撮影することもある。

サイトへのアクセス数を高めるのに役立っているのが、ツイッター、フェイスブック、インスタグラム、ピンタレストなどのSNSの情報交信とECサイトとの連動である。ニュースレターと共に月間平均3~4回更新しており、「リツイート」や「いいね」を獲得し、記事のシェアを増やすことに力を入れている。フォロワーとの交流や反響を参考にして、プロモーションや拡販商品を検討している。

現在、フランス語、英語、日本語のECサイトを運営しており、中国語サイトも準備中であるが、それらは単に同じページを多言語に翻訳したものではない。また、各国のユーザーによるSNSやブログの書き込みから得られる情報を分析してターゲットを定め、商品アイテムや商品説明の内容、プロモーション、リンクするブログの記述等をサイトごとに変えている。例えば、フランスでは仕事をする社会人のお弁当需要が多いことから、健康的で経済的な和食や家庭料理などの健康的なレシピを充実させたサイト構成にしている。また、北米を主なターゲットとする英語サイトでは、子供が学校にお弁当を持っていく習慣があることに目を付け、キャラクター弁当箱やデコレーション用トッピンングの充実、「バック・トゥ・スクール・セール」(新学期前に新しい学用品を販売するセール)を企画するなどしている。


世界と日本のリエゾンの道を歩む

Bento&coの運営は、社員6名とアルバイト数名で、ほぼすべての業務を外部委託せずに社内処理している。ECサイトの管理も、できる限り無料のアプリケーション・サービス等を活用してコスト低減に努めており、自前による運営が、「顧客との関係性強化や、物流事故の防止につながり、顧客の信頼を高める効果に結びつく」とベルトラン氏は語る。さらに、「越境EC事業で重要なのは、在庫管理とデリバリーコントロール。物流管理が顧客満足とリピート購入を高める」と続ける。

顧客とのコミュニケーションにも余念がない。2009年から、一般公募のインターネット・イベント『国際弁当コンテスト』を主催し、弁当文化の啓発と弁当箱の市場拡大を図る活動を行っている。さらに2012年には、京都に念願の直営店をオープンした。実店舗には、国内外の観光客に商品を直接購入してもらう以外にも、EC事業との相乗効果、メディアへの露出を期待している。

競合が強まる欧米市場に対しては、大手のECサイトに対抗する為、随時、販売プロモーションを実施し、オリジナル商品の開発や文具等の新商品販売に力を入れている。また、欧米の展示会に出展して開拓したBtoBの業務用商品販売事業は、順調に売上を伸ばし、2014年パリに出張所を設置した。準備中の中国語ECサイトは、今後、経済成長が期待できるアジア市場進出の第一歩である。

Bento&coは、世界と日本の食器と食文化をつなぐリエゾン(フランス語で仲介者・連携の意味)の道を歩んでいる。

企業概要

運営会社:株式会社BERTRAND(ベルトラン)
代表者:BERTRAND THOMAS (ベルトラン トマ)
住所:京都市中京区八百屋町117(店舗、事務所)
業種:小売・卸売業
取扱商品:弁当箱、その他関連商品の国内外への輸出販売
主力商品:弁当箱、その他関連商品

代表者
BERTRAND THOMAS(ベルトラン トマ)氏