DIY-TOOL.COM
~国内最大級の品揃えと体験型店舗でDIYを文化に~

DIY-TOOL.COM
キーワードロングテール
差別化品揃え、短納期
集客体験型のリアル店舗、ウェブメディア
ターゲット40代男性
特徴国内最大級の90万点の品揃え。
実店舗あり(大阪・東京)
出店タイプ独自ドメイン、楽天市場、Yahoo!ショッピング、ポンパレ、アマゾン

卸売から活路を求めて小売へ進出

リクルートに勤めていた山田社長が同社に入社したのは、1997年のこと。義父から、結婚の条件に会社を継ぐことを求められたためであった。義父の父親の代から続く、従業員15名ほどの老舗の金物工具商社であったが、従業員は高齢化。約束手形などの古い商習慣が残る業界であるうえに、主要取引先であるホームセンターからは、厳しい要求を突き付けられる日々であった。さらに、注文があれば、数百円の商品を町の金物屋に1日に2度も配送する過剰なサービスで、赤字経営が続いていた。

もともと営業マンだった山田社長は、とにかく取引先を増やすために奔走するが、薄利多売で利益は上がらなかった。現状を打開するために川下であるエンドユーザーに売ることを考えていたところ、2001年の年末、酒席で中学時代の友人から「これからはネット通販だ」という言葉を聞く。早速、翌日にはパソコンを購入し、モール事業者が開催する説明会などに参加した。

HTMLの知識などはなかったので、テンプレートを使ってサイトを立ち上げられる楽天への出店の道を選んだ。昼間は通常の問屋業務を行い、夜、商品を登録する作業を一人で行い、半年かかって、2012年の8月にネットショップ「DIY-TOOL.COM」をオープンした。当時の商品点数は50点ほどだった。


売上の増大に合わせて体制を整備

プロモーションを行う余裕はなかったが、当時、DIY商品を売るネットショップ自体が少なかったこともあり、商品を掲載すれば商品名で検索されるため、売上は少しずつ伸びていった。しかし、本業の卸売業は赤字続きであったため、新たに従業員を雇う余裕はなく、月商が100万円に達するまでの1年半は、山田社長一人の作業が続いた。儲かっていないとはいえ、卸売はケースや箱単位での取引。1個から扱う小規模の商いである小売に対し社内の反応も冷ややかであった。

満を持して女子社員を雇ってからは、飛躍的に売上が伸びた。「売上を伸ばすためには、早く従業員を雇うべきだった」と山田社長は述懐するが、専門的な知識を持つ彼女の存在が、売上を大きく伸ばすことにつながった。

ところが、売上が増えるにつれ、それに対応する社内の業務は加速度的に増え、従業員の不満も高まっていった。朝、パソコンを立ち上げ、注文がたくさん届いているのをみた社員の間から、ため息が出るのを聞いた山田社長は、メーカーへの発注を、FAXではなくEメールで行うシステムを社内で開発することにした。

さらに、在庫を多く抱えるのを防ぐため、注文が入ってからメーカーに発注し、倉庫に入荷したら、棚入をせずに、すぐさま顧客に発送する仕組みであったため、注文が多くなると1階の倉庫で、従業員総出で配送作業をする日が続いた。そこで物流業務を外注するとともに、物流センターを大阪の南港に開設した。卸時代から付き合いがあるメーカーの協力も得られ、現在は、在庫がなくても注文から2日以内に届けられる、短納期のシステムを構築できている。


品揃えで差別化を図る

楽天での開店後、3年後にはヤフー店を、その2年後には独自サイト店を相次いで開店し、順調に売上を伸ばしていった。ところが、2009年の2月にはじめて売上が前年を下回る。危機感を感じた山田社長は、当時1万8千点ほどであった掲載商品点数を、卸として商品コードを持っていた10万点まで一気に増やすことを決意した。

早速、中国の成都に行き、現地で日本語のできるスタッフを雇い、日本とスカイプでやり取りしながら、商品の画像やデータをアップしていった。現在は90万点まで増え、DIYどころか他業種を含めても、単独店舗では類をみないほどの品揃えを誇っている。こうした実績が認められ、アマゾン側から請われる形で2014年にはアマゾンにも出店を果たした。アマゾンのように自らが小売(リテール)も行っているモールへの出店は、売れ筋情報が漏れるというリスクもあるが、同社はロングテールと言われる売れ筋以外の商品を重視しているため、すみ分けが可能と考えている。

一方で、販路を広げるために、2012年、対事業所向けの通販サービス「モノトス」をオープンした。


DIYを文化に

DIY大国であるアメリカなどに比べて、日本はDIY自体の市場が小さい。その原因に、文化の違いがあると考えた山田社長は、まずは工具の使い方を教えるところから始めて、DIYを文化として根付かせる必要があると感じた。そこで、2014年、大阪の難波に体験型のDIYショップである「DIY FACTORY」をオープンした。固定費の少ないネット販売に比べて、実店舗での販売はコストがかかる。そこで、取引先のメーカーに協力を呼びかけ、店舗の1/3をメーカーのショールームにすることで賃料を負担してもらっている。残りの1/3が体験施設、1/3が売場である。

体験施設では、毎日のようにワークショップが開かれている。クリエーターに場所を貸して教室を開いてもらうこともあるが、社員が講師役になることもある。ここでのお客様とのやり取りが、従業員のモチベーション向上にもつながっている。さらに、ネットでは起きにくい衝動買いの誘導も実店舗では可能であるため、ヒット商品を生み出すことにもつながっている。

DIY FACTORYは評判を呼び、2015年4月には、東京の二子玉川に2号店をオープンした。


多様なメディアを通じて情報発信

当初は職人をターゲットにしていたが、職人はパソコンの利用率が低いため、現在は40代の一般男性が多く利用している。しかし、スマートフォンの普及でこれまであまりパソコンを利用していない層の需要が望めるため、今後は職人の利用も増えていくと予想している。また、SNSを通じた情報収集が進んでいるため、SNSやメルマガを通じた情報発信にも力を入れている。

さらに、DIYユーザーのコミュニティを作るため、ユーザーの投稿による情報サイト「MAKIT!」を2015年7月にオープンさせた。また、2016年3月には、チケット制でDIYを学べるスクールを大阪にオープンさせる予定となっている。

ビジョンに「つくる楽しさを、未来につなげたい」を掲げている。ネットとリアル、そしてウェブメディアを上手く融合させながら、DIYを文化として根付かせ、DIY市場を広げることが目標である。

企業概要

運営会社:株式会社大都
代表者:代表取締役 山田 岳人氏
住所:大阪府大阪市生野区生野東2-5-3
大都ビル
業種:(元)工具商社、(現)DIY・園芸用品小売
取扱商品:(ネット)DIY・園芸用品、(実店舗)DIY
主力商品:工具、園芸用品

代表取締役
山田 岳人氏